ニュース速報
ワールド

タイ首相がポピュリズム色強い新景気対策、「地下経済」取り込む方針

2024年12月13日(金)13時54分

タイのペートンタン首相は12日に行ったテレビ演説で、ポピュリズム(大衆迎合主義)色の強い新たな景気対策を発表した。写真はペートンタン首相。バンコクで9月撮影。(2024年 ロイター/Athit Perawongmetha)

[バンコク 12日 ロイター] - タイのペートンタン首相は12日に行ったテレビ演説で、ポピュリズム(大衆迎合主義)色の強い新たな景気対策を発表した。

具体的に提示したのは地域企業に対する条件の緩いローンや、村落向け予算確保、首都バンコクの低所得層への安価な住宅供給、エネルギー価格引き下げ、都市鉄道運賃の一律化などだ。

タイの国内総生産(GDP)の49%を占めるとされる「地下経済」を正式な経済システムに取り込んで規制をかけ、消費者を保護するとともに税収増を図る方針も打ち出した。

ペートンタン氏は「2025年は明らかなチャンスと希望が到来する年になる。政府は(国民の)夢を実現させるためにはっきりとした成果を出す。各政策は具体的な形を帯びている」と強調した。

セター前首相が8月に憲法裁判所から解職を命じられた後、首相の座に就いたペートンタン氏は、父のタクシン元首相のポピュリズム路線を継承するとの見方が広がっている。

「タイ貢献党」を含めたタクシン派政党はこれまで、貧困層への給付や農村向けローンと医療制度への幅広い補助金などを掲げて何度も

ただ同時にペートンタン政権は、家計債務がGDP比89.6%、総額16兆3000億バーツ(4820億ドル)とアジアで最大規模に膨れ上がっているなど、経済政策運営の面で多くの課題に直面している。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国万科、債権者が社債償還延期を拒否 デフォルトリ

ワールド

トランプ氏、経済政策が中間選挙勝利につながるか確信

ビジネス

雇用統計やCPIに注目、年末控えボラティリティー上

ワールド

米ブラウン大学で銃撃、2人死亡・9人負傷 容疑者逃
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 5
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中