ニュース速報

ワールド

EU9カ国、原発由来水素を再生可能エネと認めるよう要請

2023年02月06日(月)10時53分

欧州連合(EU)の再生可能エネルギー規則を巡り、フランスやポーランドなどEU加盟9カ国が3日までに欧州委員会に書簡を送り、生産過程における二酸化炭素(CO2)排出量が少ない、原発由来の水素を再生可能エネルギーとして認めるよう求めたことが分かった。写真は2月1日、ブリュッセルで撮影(2023年 ロイター/Yves Herman)

[ブリュッセル 3日 ロイター] - 欧州連合(EU)の再生可能エネルギー規則を巡り、フランスやポーランドなどEU加盟9カ国が3日までに欧州委員会に書簡を送り、生産過程における二酸化炭素(CO2)排出量が少ない、原発由来の水素を再生可能エネルギーとして認めるよう求めたことが分かった。ロイターが書簡の内容を確認した。

原発由来の水素についての働き掛けを主導しているのは、国内電力の約7割を原発に依存するフランス。フランス以外で書簡に署名しているのはポーランド、チェコ、ルーマニア、ブルガリア、スロベニア、クロアチア、スロバキア、ハンガリーで、いずれも既に原発が稼働しているか、初の原子炉建設を計画している国。

EUの産業が現在利用している水素の大半は、CO2を排出する石炭や天然ガスから生産されている。水素には電気を使う生産方法もあり、EUは再生可能エネルギー由来の電気から作られた「再生可能」水素の使用目標を産業セクターごとに設けたい意向だが、同水素の定義は未公表。

書簡はEUに対し、再生可能エネルギーではないがCO2排出量の少ない原発由来の水素を再生可能水素に含めるよう提言。再生可能エネルギーだけで目標を設定すると水素経済発展のペースが制約されると訴えている。

当局者によると、こうした主張に対して、ドイツ、デンマーク、オーストリア、ルクセンブルクなど少なくとも加盟9カ国が反対した。欧州が化石燃料への依存を減らすために欠かせない再生可能エネルギーの大規模な拡張を奨励するため、風力や太陽光など再生可能エネルギーにのみ焦点を当てるべきだとしている。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米失業保険継続受給件数、10月18日週に8月以来の

ワールド

米FRB議長人選、候補に「驚くべき名前も」=トラン

ワールド

サウジ、米に6000億ドル投資へ 米はF35戦闘機

ビジネス

再送米経済「対応困難な均衡状態」、今後の指標に方向
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    「嘘つき」「極右」 嫌われる参政党が、それでも熱狂…
  • 9
    「日本人ファースト」「オーガニック右翼」というイ…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中