ニュース速報

ワールド

コロナ重症化リスク高い人は、毎年追加接種必要に=WHO内部文書

2021年06月25日(金)08時02分

世界保健機関(WHO)は6月24日、新型コロナウイルス感染が最も重症化しやすい高齢者などが免疫を維持する上で、年1回の追加接種が必要になると予測している。ロイターが内部文書を確認して分かった。4月、ジュネーブで撮影(2021年 ロイター/Denis Balibouse)

[ブリュッセル 24日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルス感染が最も重症化しやすい高齢者などが免疫を維持する上で、年1回の追加接種が必要になると予測している。ロイターが内部文書を確認して分かった。

文書は24日の「Gaviワクチンアライアンス」との会合向けに作成されたもの。Gaviは途上国のワクチン接種を推進する国際組織で、WHOとともに新型コロナワクチンを共同調達する国際的な枠組み「COVAX(コバックス)」を主導している。

ワクチンメーカーのモデルナやファイザー、ビオンテックなども既に、高レベルの免疫を保つには追加接種が不可欠になるとの見解を打ち出したが、まだそれを裏付ける確証は得られていない。

WHOはこの文書で、重症化リスクが高い人は毎年、それ以外の人には2年ごとの追加接種を「暗示的な」基本シナリオとして想定。結論に至った経緯には触れていないものの、こうしたシナリオの前提として新たな変異株が出現し続けることと、それらの脅威に対応するためワクチンが定期的に改良されることを示している。

Gaviの広報担当者は、コバックスはさまざまなシナリオを考慮に入れられるよう計画されていると説明した。WHOは内部文書の内容についてコメントを拒否した。

文書に記された基本シナリオでは、来年の世界全体のワクチン生産量が120億回分になると見込まれている。国際製薬団体連合会(IFPMA)によると、これは今年見込まれる110億回分よりやや多いだけで、WHOが大幅な増産を期待していないことがうかがえる。

来年のワクチン供給の制約要因としては、製造面や規制当局の承認手続きにおいて生じる問題や、「一部の技術プラットフォームからの切り替え」が挙げられた。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、グリーンランド特使にルイジアナ州知事を

ビジネス

午前の日経平均は大幅続伸、5万円回復 AI株高が押

ワールド

韓国大統領府、再び青瓦台に 週内に移転完了

ビジネス

仏が次世代空母建造へ、シャルル・ドゴール後継 38
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 5
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 6
    米空軍、嘉手納基地からロシア極東と朝鮮半島に特殊…
  • 7
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 8
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 9
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中