ニュース速報

ワールド

コロナ変異株抑制には中南米のワクチン接種急務=WHO米州事務局

2021年03月04日(木)10時16分

 3月3日、世界保健機関(WHO)の米州事務局である汎米保健機構(PAHO)は、新型コロナウイルスのワクチン接種は北米においては感染拡大抑制につながっているが、中南米ではほとんど始まっていないと指摘。写真はブラジル・マナウスで、新型コロナで死亡した女性の埋葬を見守る家族。1月17日撮影(2021年 ロイター/Bruno Kelly)

[ブラジリア 3日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)の米州事務局である汎米保健機構(PAHO)は3日、新型コロナウイルスのワクチン接種は北米においては感染拡大抑制につながっているが、中南米ではほとんど始まっていないと指摘。そのため新たな変異株の出現リスクが高まっており、全ての人々に危険をもたらしているとの見解を示した。

PAHOのエティエンヌ事務局長は、米州の感染状況に関するブリーフィングで、「世界の一部でCOVID─19(新型コロナウイルス感染症)のまん延が続くかぎり、残る全世界は安全ではあり得ない」と述べた。

PAHOによると、中南米で最初に供給を受けるのはコロンビアで、今週、世界保健機関(WHO)と途上国へのワクチン普及を進める国際組織「Gaviワクチンアライアンス」が主導するワクチン共有の国際スキーム「COVAX(コバックス)」を通じてワクチンが到着する。来週にはペルー、さらにエルサルバドル、ボリビアなどに同様に供給される。

また、南米の大半では感染が減少し続けているが、アマゾン盆地では増加しており迅速な対応が必要としている。

PAHOは、年内の大半は世界的なワクチン不足が続く見込みで、現状で入手可能なワクチンは公平に分配されていないとしている。

エティエンヌ事務局長は、米州で分配の不均衡がある状況は自滅的であるとし、「豊かな国々で接種が進む一方、多くの国が1回分のワクチンすら入手できていない。ウイルス拡散を長く許せば許すほど、より危険な変異株が出現して制御する対応が複雑になるリスクが高まる」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ブラジル中銀が金利据え置き、2会合連続 長期据え置

ビジネス

FRB議長、「第3の使命」長期金利安定化は間接的に

ワールド

アルゼンチンGDP、第2四半期は6.3%増

ビジネス

米大手銀、最優遇貸出金利引き下げ FRB利下げ受け
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 7
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中