ニュース速報

ワールド

新型コロナ再拡大、アジアリゾートに痛手 外国人受け入れ延期も

2020年09月08日(火)14時24分

 9月8日、東南アジアの人気リゾート地が、新型コロナウイルス感染の再拡大に打撃を受けている。写真はほとんど人気のない空港の様子。バリ島で4月撮影(2020年 ロイター/Johannes P. Christo)

[バリ(インドネシア)/バンコク 8日 ロイター] - 東南アジアの人気リゾート地が、新型コロナウイルス感染の再拡大に打撃を受けている。

インドネシアのバリ島で新型コロナウイルス感染者が急増する一方、観光業への依存度が高いタイでもおよそ3カ月ぶりに市中感染を確認。9月から再開する予定だったバリ島への外国人観光客受け入れが無期限に延期され、タイのリゾート地プーケット島の段階的な再開にも疑問符がついている。

東南アジア各国では、国内経済再始動の手段として国内旅行の需要喚起を図ると同時に、外国人旅行客の受け入れを緩和する「トラベル・バブル」に期待をかけていた。

バリ島では当初、国内他地域よりも比較的感染拡大は少なかったが、7月末に国内の移動制限が解除されて以来、感染者数が急増している。

インドネシア大学の疫学者、Pandu Riono教授は、国内旅行の増加がバリ島での感染拡大の重要な要素だと指摘する。

保健当局者は国内旅行再開が感染増大の原因ではないとの見解を示しているものの、一部にはバリ島の例は早すぎる国境開放に対する警告だとの見方もある。

専門家らは、バリ島の例は国内他地域から感染が持ち込まれた可能性を示すのみならず、検査・追跡体制の不備など感染抑制策の欠陥を浮き彫りにしたと指摘。

さらに「D614G変異」と呼ばれる突然変異により、新型コロナウイルスの感染力が強まったことも要因という。

一方、観光業が国内総生産(GDP)の11%超を占めるタイも、状況はさらに深刻だ。

タイは8月、アジア各地での新型コロナ感染者増を受け、対策を講じている地域からの旅行者入国を相互に認める「トラベルバブル」構想を一時中止。

政府観光庁によると、10月1日に予定されているプーケット島への外国人観光客受け入れも延期される可能性が高いという。ただ、タイ観光業のハイシーズンにあたる欧州の冬の始めまでには再開すると期待されている。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英財務相、金融業界の規則緩和さらに推進へ 「成長を

ビジネス

米大手銀、ディールメーキングの回復で第2四半期利益

ワールド

トランプ氏、退職年金にプライベート市場投資促す大統

ビジネス

物価目標2年で実現できず、異次元緩和に懐疑論=15
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パスタの食べ方」に批判殺到、SNSで動画が大炎上
  • 2
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    「このお菓子、子どもに本当に大丈夫?」──食品添加…
  • 5
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機…
  • 6
    約3万人のオーディションで抜擢...ドラマ版『ハリー…
  • 7
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中…
  • 8
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 9
    「巨大なヘラジカ」が車と衝突し死亡、側溝に「遺さ…
  • 10
    「オーバーツーリズムは存在しない」──星野リゾート…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 9
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中