ニュース速報

ワールド

タイ第4四半期GDP伸び率、予想下回る前年比1.6% 5年ぶり低水準

2020年02月17日(月)13時54分

 2月17日、タイ国家経済社会開発庁(NESDB)が発表した2019年第4・四半期の国内総生産(GDP)伸び率は前年同期比1.6%と、5年ぶりの低水準となった。写真はバンコクの建設現場で2016年12月撮影(2020年 ロイター/Athit Perawongmetha)

[バンコク 17日 ロイター] - タイ国家経済社会開発評議会(NESDC)が17日発表した2019年第4・四半期の国内総生産(GDP)伸び率は前年同期比1.6%と、5年ぶりの低水準となった。

輸出が落ち込み、公共支出が不振となる中、ロイターがまとめた市場予想の2.1%を下回ったほか、第3・四半期の2.6%(2.4%から上方改定)から減速した。

今後は新型コロナウイルス流行の影響が国内経済への圧力を高める見通しだ。

タイ経済は観光が明るい分野だが、米中貿易戦争や内需低迷、予算の遅れ、干ばつによる打撃を受けている。一部のアナリストは年内の追加利下げを見込んでいる。

19年通年のGDP伸び率は2.4%で14年以来の低水準。アナリスト予想と一致した。

前四半期比(季節調整済み)でみると、第4・四半期のGDP伸び率は0.2%だった。予想の0.4%を下回った。第3・四半期の伸び率は0.1%から0.2%に上方改定された。

ノムラ(シンガポール)のエコノミスト、Charnon Boonnuch氏は「新型コロナウイルス(COVID―19)流行、予算の遅れ、干ばつを背景に20年も減速傾向が続くとの見方を反映し、20年のGDP伸び率予想を1.9%で据え置く」と指摘。「われわれはさらなる25ベーシスポイントの利下げ依然見込んでおり、第2・四半期に実施される公算が大きいとみている」とした。

<20年の見通し引き下げ>

NESDCは20年のGDP伸び率について、1.5─2.5%と予想。昨年11月時点では2.7─3.7%になるとみていた。輸出は1.4%増と予想。11月時点では2.3%増を見込んでいた。

18年のGDP伸び率は4.1%から4.2%に上方改定された。

NESDCのデータによると、19年第4・四半期の輸出は前年同期比4.9%減、公共投資は5.1%減、観光産業の成長率は6.4%に減速した。

NESDCは今年の海外からの観光客数について3700万人と予想。ウイルスの流行を受け、過去最高だった昨年の3980万人から減少すると見込む。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:闇に隠れるパイロットの精神疾患、操縦免許剥奪

ビジネス

ソフトバンクG、米デジタルインフラ投資企業「デジタ

ビジネス

ネットフリックスのワーナー買収、ハリウッドの労組が

ワールド

米、B型肝炎ワクチンの出生時接種推奨を撤回 ケネデ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 5
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 6
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 7
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 8
    三船敏郎から岡田准一へ――「デスゲーム」にまで宿る…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 7
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 8
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 9
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中