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インドネシア中銀、政策金利を据え置き 来月利上げ再開との見方も

2018年10月23日(火)19時20分

 10月23日、インドネシア中央銀行は、主要政策金利である7日物リバースレポ金利を5.75%に据え置いた。写真は同中銀のロゴマーク。ジャカルタで2016年9月撮影(2018年 ロイター/Iqro Rinaldi/File Photo)

[ジャカルタ 23日 ロイター] - インドネシア中央銀行は23日、主要政策金利である7日物リバースレポ金利を5.75%に据え置いた。第3・四半期の経済成長率については、当初の予想を下回る可能性があるとの見解を示した。据え置きは市場の予想通りだった。

中銀のミルザ・アディチャスワラ副総裁は、現行の金利水準について、経常赤字縮小と同国資産の魅力維持に向けた努力に一致するものだとの認識を示した。

預金ファシリティー金利と貸出ファシリティー金利もそれぞれ5.00%と6.50%で据え置いた。

中銀は5月中旬以降、5回にわたって主要政策金利を引き上げたが、ロイターのアナリスト調査では、市場が相対的に落ち着いていることから、今週は利上げを停止するとの見方が多かった。

バハナ証券のエコノミストは、広く予想されている米連邦準備理事会(FRB)による12月の利上げに先手を打つため、インドネシア中銀が来月利上げを再開する可能性があると述べた。

通貨ルピアは過去2週間は1ドル=1万5200ルピア前後と、アジア通貨危機以来の安値付近で推移。23日の金利据え置き発表後はあまり動いていない。

米利上げや米中貿易戦争を背景に資本が流出し、ルピアは2017年末の水準から約11%下落している。

アディチャスワラ副総裁は、第3・四半期の経済成長率が「5.1%をやや下回る」見込みで、2018年通期の成長率を中銀予測(5.0─5.4%)の下限に近付ける可能性があるとした。中銀はその理由として、予想を下回る輸出の伸びを挙げた。

また副総裁は第3・四半期の経常赤字について、赤字幅が第2・四半期から小幅に拡大すると予想。通期の経常赤字の対国内総生産(GDP)比は引き続き3%を下回る可能性が高く、また赤字抑制への取り組みにより、2019年は2.5%となるとの見通しを示した。

中銀当局者は先月の利上げ時を含めてこれまで、中銀のスタンスを「タカ派的」と表現してきたが、23日の理事会メンバーはこの文言を使わなかった。

中銀はインフレが2018年末まで目標レンジの2.5─4.5%以内で推移すると予想した。9月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.88%上昇した。

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