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強制送還中に急死のガーナ人、遺族が逆転敗訴 東京高裁判決

2016年01月19日(火)18時08分

[東京 19日 ロイター] - 成田空港で2010年、強制送還中のガーナ人男性(45)が死亡したのは、東京入国管理局職員の過剰な制圧行為が原因だとして、遺族が国家賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は18日、死亡と制圧行為との因果関係はないとして、遺族側の請求を棄却した。

ガーナ人のアブバカル・アウドウ・スラジュ氏は2010年3月、強制送還中の飛行機内で急死。一審の東京地裁判決は死因を窒息死だったとし、入管職員の「違法な制圧行為」があったとしていた。一審は国に約500万円の支払いを命じた。

しかし、18日の高裁判決では、心臓の腫瘍による致死性の不整脈が死因と判断。入管職員の行為は違法とは言えないとした。

担当した児玉晃一弁護士は19日、ロイターの取材に対し「送還途中で死亡し、制圧行為が疾患に影響を与えたことは控訴審で国も認めざるを得なくなったのに、誰も責任をとらないという不正義は許されない」と述べた。同弁護士は上告を検討しているという。

日本からは、2014年に5500人以上の外国人が強制送還された。その中には、難民申請者も含まれている。

(舩越みなみ、宮崎亜巳)

ロイター
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