午前のドルは158円後半へ上昇、原油価格急騰で全面高
米ドル紙幣と石油ポンプ。2023年10月撮影。REUTERS/Dado Ruvic
Atsuko Aoyama
[東京 9日 ロイター] - 午前のドルは158円後半へ上昇した。前週末からは約1円ドル高/円安の水準で、1月23日以来1カ月半ぶりの高値を更新した。イラン紛争の長期化が懸念される中、週初は原油価格の急騰とともにドルが全面的に買われた。
早朝からドル買いが優勢で、原油先物相場の急騰をながめ、対円相場も上げ幅を拡大した。158円後半まで買われた後は、上昇がいったん一服している。介入警戒感が上値を抑えている面がありそうだが、日経平均が一時4000円以上下げる中、リスク資産を一段と押し下げかねない為替介入の現実味には懐疑的な見方もある。
イランは9日、死亡したハメネイ師の後継となる新たな最高指導者に次男のモジタバ・ハメネイ師を選出。イランで強硬派が依然として確固たる実権を握っていることを示唆した。
原油先物価格は、米WTI、北海ブレントが共に1バレル110ドル超で推移。原油価格をにらみながらドル高基調は続くとみられ、1月23日の植田和男日銀総裁の記者会見後に付けた高値である「ドル159.23円が(上値めどとして)いったん意識されている」(みずほ銀行国際為替部為替スポットチームディレクターの南英明氏)との声がある。
原油については、「価格動向に限らず、実際に原油が調達できないとなるとサプライチェーンの混乱も大きく、生活が脅かされることになる」(ステート・ストリート銀行東京支店長の若林徳広氏)と懸念する声が聞かれる。影響は中東にとどまらず全世界に及び、「リスクオフの相場になるのは当然と言え、従来の相関は崩れている」(若林氏)との見方だ。
特に、過去リスクオフの局面でドル買いとともにみられていた円買いのフローがみられないことが関心を集めている。
背景の一つとして、日本では供給ショックに伴う物価高に金融政策での対応が期待できないことも指摘される。過去の日銀側からの答弁では「コストプッシュ型のインフレ圧力に対しては利上げで対処すべきではないとの見解が示されている」(みずほ銀の南氏)との解釈が聞かれる。





