トランプ関税違憲、流通・小売企業が還付受けられない可能性も
写真は1月、米ニューヨーク市内で撮影。REUTERS/Brendan McDermid
Siddharth Cavale
[ニューヨーク 20日 ロイター] - 米最高裁で20日に違憲と判断されたトランプ米大統領の国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税措置を巡り、輸入業者としての法的地位を欠いた流通・小売企業は関税の還付を受けられない可能性がある。還付総額は最大1750億ドルになると試算されている。
訴状によると、関税の還付を求めて2025年2月1日以降に提訴したのは会員制倉庫型量販店の米コストコ・ホールセールや自動車部品メーカーのボルグワーナー、タイヤメーカーのグッドイヤーを含む1800社超の輸入企業。
しかし、国際商業会議所(ICC)は、商品を米国に持ち込む責任のある法人として登録されているわけではない流通・小売企業、他の下流サプライヤーは法的に返金を請求できない可能性があると警告している。
ICCのアンドリュー・ウィルソン副事務総長は20日、ロイターに対して「この問題を解決するには、企業側の多大な善意が必要になると思う。そうでなければ、企業間でかなりの規模の訴訟になる可能性が高い」と指摘した。
こうしたリスクを警戒する企業は輸入業者に対し、負担したトランプ関税の補償がなければ取引を停止する可能性があると書面で警告している。IEEPAに基づいて支払った関税の返金を求める輸入業者を代表して5件の訴訟を起こした法律事務所、バダム・ローで通商を専門とするビニシウス・アダム弁護士は「(流通・小売企業は)一部の輸入業者が署名することを期待して法的文書を送っている」と説明した。
アダム氏は、こうした企業の中には契約上金銭を受け取る権利があると主張する企業も、輸入業者が関税支払いを流通企業に依存していた以上、還付金を保持すべきでないと主張する企業もある。また、輸入業者が全額を保持するのは不公平だと訴える意見もあるという。
関税の還付は、企業同士の契約の合意内容次第となる。
アダム氏によると、現時点では輸入業者以外が訴訟を起こした事例はない。また、還付金の一部を要求する企業としては、輸入業者との取引を停止する可能性をちらつかせた方が訴訟より効果的だとの見解を示した。





