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インタビュー:印ノンバンク出資機に日系自動車が関心、ROE前倒し達成も=板垣MUFG専務

2026年01月30日(金)08時13分

写真は取材に応じる板垣靖士・MUFG執行役専務。1月28日、東京本社で撮影。REUTERS/Miho Uranaka

[東京 30日 ロ‍イター] - 三菱UFJフィナンシャル・グループは、インドのノンバン‌ク大手シュリラム・ファイナンスへの出資を通じ、インド内需を軸とした事業展開を本格化する。自動車OEM(完成車メーカー)など日系企業が単独では進出しにくい市場で、シュリラムの持つプラットフォームを活用した「販売」から「回収」の新たな仕組み‌を構築。シナジー創出により自己資本利益率(ROE)目​標の前倒し達成を狙う。

海外事業を統括する板垣靖士・執行役専務はロイターとの単独インタビューで、出資公表後「まだ何も言わない段階から、日系の自動車OEMから相談したいという話が来ている」と明かした。「インドで何かを売りたい、売るときにファイナンスを付けてほしいと考える企業は、我々の想像以上に多い」と述べ、まずは自動車から取り組みを始め、将来的には農業機械分野にも機会があるとの見方を示した。

日系企業がインド市場で商品を販‌売していく上での課題として、「(販売先の)信用を見られるプレーヤーと組むことが重要だ」と指摘する。信用を見極められなければ、与信や回収を含めた事業展開は成り立たないためだ。こうした課題に対し、地方に約3200の拠点を持つシュリラムのプラットフォームは、地域に密着した営業体制を通じて顧客の信用状況を把握できる点が特徴という。

板垣氏によると、シュリラムの顧客向けに日系メーカーの製品を販売するにあたり、シュリラムがファイナンスを提供する例が考えられる。MUFGには、買収したタイのアユタヤ銀行などを通じて自動車金融を成長ドライバーの一つに育ててきた知見がある。これをインドでも応用し、シュリラムとの連携を通じて同様のモデルを構築していく考えを示した。

インドでは、スズキが過半を保有するインド最大の自動車メーカー、マルチ・スズキを除けば、日本の自動車メーカーの市場でのシェアは小さい。ただ、足元では投資を加速させており、​こうした動きと連動した協業によるシナジーが想定を上回って顕在化すれば、収益性の向上は一段と進む可⁠能性がある。

MUFGは昨年12月、シュリラムに約7000億円を投じ、同社株式の20%を取得すると公表した。収益面では、次々期(2032年度)中期経営計画をめどに、グループ全体で‍掲げるROE12%超への貢献を目標としている。板垣氏は、現時点では保守的に見積もったとした上で「目標を、もう少し前の段階で実現するかもしれない」と述べ、達成時期の前倒しに含みを持たせた。

<「昭和の日本企業に近い」、オーナーシップそろえて一緒にやる>

MUFGは、米国、東南アジアに続く「次の10年、20年」を見据えた成長市場としてインドを位置づける。これまでは、ホールセール(法人金融)を軸にインドで事業展開を進めてきたが、それだけでは成長を取り切れないと判断し、空白地帯だった内需・中堅中‍小企業分野への足掛かりとして、シュリラム出資に踏み切った。板垣氏は、世界が保護主義に揺り戻され、グローバル経‍済の分断が進‌む中、内需で自立的に成長できる大国は限られていると話す。

4年にわたる出資先選定で最も重視したのは銀行‍かノンバンクかといった業態ではなく、「長期的に勝ち抜けるフランチャイズになり得るか」だった。同時に、経営陣や創業者との価値観の一致も重視。創業者であるR. タヤガラジャン氏(88歳)のもと、新卒入社から現場でたたき上げられてきた経営陣が中核を担う企業文化について、板垣氏は「昭和の日本企業に近い」と表現し、MUFGとの強い相性を感じたという。

運送業を担う中堅・中小企業や個人事業主向けに、中古商用車や乗用車の購入ローンを提供するシュリラムは、地方に張り巡らせたネットワークと、顧客と「一生付き⁠合う」営業モデルを強みとする。こうした事業基盤を評価した今回の出資は、海外からの直接投資としてインドの金融セクターで過去最大規模となる。板垣氏は、地方への資本供給を重視するMUFGの構想を携えて、モディ首相はじめ政府・当局との対⁠話を重ね、理解を醸成してきたという。

シュリラム側には、成長資金の確保に加‍え、創業者が高齢となる中で事業を託せる長期パートナーを見極めるという文脈もあった。板垣氏は、現時点で過半出資を視野に入れているわけではないとした上で、出資比率は20%でも「要するに本当にオーナーシップをお互いにアラインし(そろえ)て、一緒にやる」ことが今回のパートナーシップの本質​だという。昨年12月に開催した説明会で同社の幹部は、将来的に過半出資する可能性について問われ「現時点で否定するものではない」と答えている。

インドの高い経済成長を取り込もうと、日本の銀行グループによる現地の金融機関への出資が相次ぐ。三井住友フィナンシャルグループは商業銀行のイエス銀行に約2900億円の出資を決め、みずほフィナンシャルグループは投資銀行アベンダス・キャピタルへの過半出資で合意した。

※インタビューは28日に実施しました

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