ニュース速報
ビジネス

米FOMC声明全文

2025年12月11日(木)07時12分

写真はパウエルFRB議長。12月10日、米ワシントンのFRB本部で撮影。REUTERS/Kevin Lamarque

[ワシントン 10日 ロイター] - 入手可能な指標は、経済活動が緩やかなペースで拡大していることを示している。雇用の伸びは今年鈍化し、失業率は9月までやや上昇した。より最近の指標はこれらの動向と一致している。インフレ率は今年初めから上昇し、依然やや高止まりしている。

委員会は雇用最大化と長期的な2%のインフレ率の達成を目指す。経済の見通しを巡る不確実性は依然として高水準にある。委員会は2つの使命の両面に対するリスクを注視しており、雇用に対する下振れリスクがここ数カ月間で高まったと判断する。

目標を支援するため、リスクのバランスの変化を考慮し、委員会はフェデラルファンド(FF)金利の目標誘導レンジを0.25%ポイント引き下げ、3.50─3.75%にすることを決定した。FF金利の目標誘導レンジに対する追加調整の程度と時期を検討するに当たり、委員会は今後もたらされるデータ、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に評価する。委員会は雇用最大化を支援し、インフレ率を2%の目標に戻すことに強く取り組む。

金融政策の適切な姿勢を評価するに当たり、委員会は今後もたらされる経済見通しに関する情報の意味を引き続き監視する。もしも委員会の目標の達成を妨げる可能性があるリスクが生じた場合、委員会は金融政策の姿勢を適切に調整する準備がある。委員会の評価は、労働市場の状況、インフレ圧力、インフレ期待、金融と世界の動向を含む幅広い情報を考慮する。

委員会は準備預金の残高が十分な水準まで減少したと判断し、継続的に十分な準備金の供給を維持するために必要に応じて短期国債の購入を開始する。

政策決定の投票で賛成したのは、ジェローム・パウエル委員長、ジョン・ウィリアムズ副委員長、マイケル・バー、ミシェル・ボウマン、スーザン・コリンズ、リサ・クック、フィリップ・ジェファーソン、アルベルト・ムサレム、クリストファー・ウォラーの各委員。

反対票を投じたスティーブン・ミラン委員は今回の会合でFF金利の目標誘導レンジを0.50%ポイント引き下げることが望ましいと考え、オースタン・グールズビー委員とジェフリー・シュミッド委員は今回の会合でFF金利の目標誘導レンジを据え置くことが望ましいと考えた。

●前回声明文との比較

今回声明 前回声明 相違点

失業率は9月までやや上昇した 失業率はやや上昇したが、8月まで低水準を 時期の更新と表現の変更

維持していた

3.50─3.75% 3.75─4.00% 金利水準の引き下げ

追加調整の程度と時期を検討するに当た 追加調整を検討するに当たり 「程度と時期」の文言追加

(なし) 委員会は保有する総証券の削減を12月1日 文言の削除

で終了することを決めた

委員会は準備預金の残高が十分な水準ま (なし) 新たな段落の追加

で減少したと判断し、継続的に十分な準

備金の供給を維持するために必要に応じ

て短期国債の購入を開始する。

オースタン・グールズビー委員とジェフ ジェフリー・シュミッド委員は今回の会合で グールズビー委員の追加

リー・シュミッド委員は今回の会合でF FF金利の目標誘導レンジを据え置くことが

F金利の目標誘導レンジを据え置くこと 望ましいと考えた

が望ましいと考えた

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米財政赤字、11月は前年比53%縮小 輸入関税が歳

ビジネス

米金利先物市場、1月据え置き観測高まる 26年に利

ビジネス

米国株式市場=上昇、ダウ497ドル高 FRBの利下

ワールド

メキシコ下院、中国などに来年最大50%の輸入関税承
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 2
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 3
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎の物体」の姿にSNS震撼...驚くべき「正体」とは?
  • 4
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 5
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキン…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    「正直すぎる」「私もそうだった...」初めて牡蠣を食…
  • 8
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 9
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 10
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中