豪中銀、予想通り政策金利据え置き インフレリスク警戒
2016年3月1日撮影。REUTERS/David Gray
[シドニー 9日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は9日、政策金利を予想通り3.60%に据え置いた。インフレを巡るリスクが上方に傾いており、物価圧力の持続性を見極めるにはもう少し時間が必要だとした。
国内需要が想定を上回る強さを示しており、生産能力への圧力が強まる可能性があるとも指摘した。
市場では、強い物価・消費統計を受け、今週の利下げの可能性はないとの見方が広がっていた。
ただ、声明は懸念されていたほどタカ派的ではなく、豪ドルは0.6620米ドルとほぼ横ばいで推移。豪3年債利回りは一時の水準から低下し、直近では1ベーシスポイント(bp)上昇の4.058%となった。
スワップ市場は中銀の次の措置が利上げになるとの見方を完全に織り込み、5月の利上げの確率を約50%と予想。来年を通じて計38bpの利上げを見込んでいる。
中銀は声明で「最近のデータはインフレリスクが上方に傾いていることを示唆しているが、インフレ圧力の持続性を見極めるにはもう少し時間がかかる」と指摘。「国内経済活動とインフレの見通し、金融政策がどの程度引き締め的であり続けるかを巡り不確実性がある」とした。
豪中銀は今年3回の利下げを実施したが、インフレ率は再び上昇傾向にあり、10月は3.8%に加速。コアインフレ率は3.3%と、中銀の目標レンジ(2─3%)を上回った。
また、第3・四半期の実質国内総生産(GDP)は企業、政府、消費者の支出に支えられて2年ぶりの大幅な伸びとなった。労働市場も底堅さを維持し、10月の失業率は前月の4.5%から4.3%に低下した。





