午前の日経平均は反落、846円安 植田総裁発言で12月利上げ警戒
東京証券取引所で1月撮影。 REUTERS/Issei Kato
[東京 1日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均は反落し、前営業日比846円60銭安の4万9407円31銭だった。朝方は続伸でスタートしたが、取引時間中に植田和男日銀総裁の発言が伝わる中、12月会合での利上げを警戒した売りが広がった。日経平均は一時、950円超安となった。
植田日銀総裁は12月18―19日の金融政策決定会合で、利上げの是非を「適切に判断したい」と発言。内外の経済・物価情勢や金融資本市場の動向を様々なデータや情報をもとに点検・議論していくとした。市場では「決定的な内容ではないものの、年内利上げへの確度が若干高まった」(信託銀行ストラテジスト)との受け止めがあった。
日経平均は64円高で寄り付き、100円超高となったが、その後マイナス圏に転落し、下げ幅を拡大する展開となった。午前10時過ぎに名古屋金融経済懇談会での植田総裁の発言が伝わる中、日経平均は952円安の4万9301円69銭まで下落し、前場安値を付けた。為替市場でドル/円が155円半ばに下落したことも投資家心理の重しとなった。
三井住友信託銀行の瀬良礼子シニアマーケットストラテジストは「これまでも日銀審議委員による利上げに対して前向きな発言が相次いでおり、植田総裁の発言が警戒されていたが、やはり12月会合での利上げ決定を匂わせる内容となった」との見方を示した。市場では米連邦準備理事会(FRB)による利下げ期待も先行しており、当面は神経質な値動きとなりやすいという。
TOPIXは1.01%安の3344.48ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は2兆7343億1900万円だった。
東証33業種では、値下がりは鉱業、非鉄金属、電気・ガス、不動産など31業種、値上がりは銀行、金属製品の2業種となった。
フジクラ、三井金属が7─8%超安、東京電力ホールディングスが6%超安となった。指数寄与度の高いアドバンテストが4%超、ファーストリテイリングが1.50%超下落した。
半面、日銀の利上げ観測から三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループなどのメガバンク株が2%超高でしっかり。セコム、村田製作所も1%超高でしっかりだった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが364銘柄(22%)、値下がりは1192銘柄(74%)、変わらずは53銘柄(3%)だった。
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