ニュース速報
ビジネス

午後3時のドルは151円後半に下落、日米財務相会談の米財務省声明が下押し

2025年10月28日(火)15時57分

 10月28日 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤から1円弱のドル安/円高の151円後半で推移している。写真は1ドル紙幣で、2021年11月撮影(2025年 ロイター/Murad Sezer)

Atsuko Aoyama

[東京 28日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤から1円弱のドル安/円高の151円後半で推移している。昨夜の日米財務相会談に関する米財務省の声明で、午前中からじり安で推移していたドル/円相場が一段と下押しされたとの声が聞かれた。軟調な日経平均でドル売り/円買いが進んだとの見方もある。

朝方に152円後半で推移していたドルは、日経平均の下落などをながめ、朝方からじりじりと水準を切り下げる展開となった。午後になって、米財務省声明が発表されると、一段と下げが深まり、152円を割り込んだ。

昨夜は日米財務相会談後、片山さつき財務相が金融政策に関して「直接的な話題にはならなかった」としたほか、為替についても「機微にわたる話は出なかった」と説明していただけに、ベセント米財務長官の為替に関する考えを「片山財務相とも話し、これまでの方針を確認したことが材料視された」(国内銀行のストラテジスト)との見方が聞かれた。

米財務省の声明によると「ベセント氏は会談で、健全な金融政策の策定とコミュニケーションがインフレ期待の安定維持と為替レートの過剰な変動を防ぐ上で重要な役割を果たすことを強調した」。その上で、アベノミクス導入から12年が経過し、状況が大きく変化しているため、この点は極めて重要だと指摘したとしている。

米財務省による声明はこれまでの米側の主張と大きな変化はないとみられているものの、「米国側からのプレッシャーが意識され、ドル安/円高が進んでいる」(三井住友銀行チーフ為替ストラテジストの鈴木浩史氏)との見方が聞かれた。ただ、トランプ米大統領の訪日で協議が進んでいるとみられる対米投資の詳細がまだ公表されておらず、週内は日米中銀の金融政策決定も控えるため、「下げに勢いがつくとは考えにくい」(同)との見方がある。

午前中には積極財政推進の要とみられていた城内実成長戦略相が、為替相場が円安傾向にあることについて、家計・企業の実質購買力を低下させる面があると指摘したことが「サプライズ」(前述の国内銀ストラテジスト)と受け止められ、ドル売り/円買いにつながったとの声も聞かれた。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 151.91/151.9 1.1663/1.16 177.18/177.

2 65 20

午前9時現在 152.69/152.7 1.1650/1.16 177.91/177.

1 52 92

NY午後5時 152.87/152.8 1.1643/1.16 178.01/178.

8 47 04

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

日米、造船分野の協力で覚書 能力拡大へ会議体設置

ワールド

マクロスコープ:対米投資1号案件は先送り 日本政府

ビジネス

対米投融資の案件候補、三菱重やソフトバンクGなど日

ビジネス

仏ダノン、第3四半期売上高が予想上回る 中国が好調
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大ショック...ネットでは「ラッキーでは?」の声
  • 3
    「平均47秒」ヒトの集中力は過去20年で半減以下になっていた...「脳が壊れた」説に専門家の見解は?
  • 4
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 5
    楽器演奏が「脳の健康」を保つ...高齢期の記憶力維持…
  • 6
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元…
  • 7
    「死んだゴキブリの上に...」新居に引っ越してきた住…
  • 8
    中国のレアアース輸出規制の発動控え、大慌てになっ…
  • 9
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 10
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 10
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中