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長期・超長期債中心に円債積み増し、ヘッジ外債横ばい=太陽生命・25年度下期運用計画

2025年10月24日(金)17時01分

 10月24日、T&Dホールディングス傘下の太陽生命保険は、2025年度下期一般勘定資産運用計画で、国内債券の残高を増加させる方針を示した。写真は円紙幣。2022年11月撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Mariko Sakaguchi

[東京 24日 ロイター] - T&Dホールディングス傘下の太陽生命保険は、2025年度下期一般勘定資産運用計画で、国内債券の残高を増加させる方針を示した。長期・超長期国債や事業債を中心に円債を積み増す一方、外国債券の残高は横ばいを予定している。政策株からの振替銘柄を中心に、内外株式の残高を減少させる。

取締役常務執行役員の清友美貴氏が17日、ロイターとのインタビューで述べた。

<金利リスクにらみ10年・20年債を積み増し>

国内債券は、国債や事業債などの残高を積み増す。上期は「平準的なペースで購入した」(清友氏)とし、残高は増加した。

下期の日本国債10年物利回りのレンジは1.20―2.00%で、年度末は1.50%を想定。積極財政を意識した「高市トレード」の一服や景気減速を背景とした米金利低下に伴い、円金利も低下していくとみる。

日銀の金融政策については、年度内に1回の追加利上げを実施すると予想。その先の利上げについては、米利下げ局面に入る中では難しいとし、打ち止めになるとみている。

高市早苗新政権による財政政策を巡っては、市場の思惑主導で超長期債の金利上昇圧力が高まる場面はあるものの「財政規律派との折り合いから(財政出動は)そこまでの規模にはならない」(清友氏)と予想する。

20年債利回りのレンジは2.2―3.0%で、年度末は2.5%を想定。20年債の投資がメインとなるものの「金利水準によって取れるリスク量があるため、その場合は10年債も検討していく」(清友氏)という。

<ヘッジ外債横ばい、内外株式は引き続き減少>

外国債券は、横ばいを予定。「ヘッジコストの低下を背景に円債と比較してそん色がなければ、ヘッジ付き外債の投資を検討する」(清友氏)。金融政策の観点から利下げサイクルが終わっていない豪国債や米国債、上乗せ金利(スプレッド)がつく米国の事業債への投資が中心となる。上期はヘッジ付き外債を中心に年間の残高削減を前倒しで実施した。

下期の米10年債利回りのレンジは3.00%─4.80%、年度末は3.80%を予想。景気減速を背景に、米連邦準備理事会(FRB)は段階的に利下げを実施し、来年6月までに政策金利を3%程度まで引き下げるとみる。

今年度のドル/円の想定レンジは135─160円で、日米金利差の縮小に伴い年度末は140円を想定。外貨エクスポージャーは横ばいの見通し。上期は円安が進行した局面で、残高を減らした。

株式については、国内、海外ともに残高を減少させる見通し。政策株からの振替銘柄を中心に削減する。上期は、外国株式の残高は横ばいとなった一方、国内株式は減少した。オルタナティブは超過収益の獲得を目的に残高を拡大する。貸付金は減少する見通しで、流動性の観点から選別していく。不動産は横ばいの見通し。

25年度下期の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。

日本国債10年物利回り 1.20―2.00%(年度末1.50%)

米10年債利回り    3.00─4.80%(同3.80%)

日経平均        4万0000─5万2000円(同4万5000円)

米ダウ         4万3000─5万2000ドル(同4万6000ドル)

ドル/円        135―160円(同140円)

ユーロ/円       155―185円(同170円)

ロイター
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