米銀の民間信用貸付向け融資急増、10年前の3倍に=ムーディーズ

格付け会社ムーディーズは21日のリポートで、米銀行からノンバンクなどの民間信用貸付機関への融資が3000億ドル近くに急増しており、引き受け基準が緩和されれば、より小規模の金融機関にとってリスクが高まる可能性があると警告した。写真はムーディーズのロゴ。1月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[22日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズは21日のリポートで、米銀行からノンバンクなどの民間信用貸付機関への融資が3000億ドル近くに急増しており、引き受け基準が緩和されれば、より小規模の金融機関にとってリスクが高まる可能性があると警告した。
それによると、非銀行系金融機関への融資は銀行融資全体の10.4%を占め、10年前の約3倍に上っている。また、2016年以降で見ると、増加ペースは他の全ての融資活動を上回っているという。
また、民間信用貸付機関への融資に加え、プライベートエクイティファンドへの融資は6月時点で2850億ドルに上り、こうした借り手の未使用融資枠は3400億ドルあるという。
今月に入ってザイオンス・バンコープなど複数の米地方銀行で不良債権などが浮上したが、アナリストらはこうした事例を信用力に関する体系的な懸念というより特異な現象と見ており、銀行幹部らも民間融資を巡るリスクを否定している。