ＷＴＯ、26年貿易伸び率予想を0.5％に大幅下方修正 米関税の影響

世界貿易機関（ＷＴＯ）は７日、２０２６年の世界の物品貿易の伸び予想を０．５％と、８月の前回見通し（１．８％）から大幅に下方修正した。米カリフォルニア州オークランド港で８月撮影（２０２５年　ロイター/Carlos Barria）

［ジュネーブ　７日　ロイター］ - 世界貿易機関（ＷＴＯ）は７日、２０２６年の世界の物品貿易の伸び予想を０．５％と、８月の前回見通し（１．８％）から大幅に下方修正した。トランプ米大統領による関税措置の影響が遅れて現れるとの見方が背景にある。

一方、２５年については２．４％と、前回の０．９％から引き上げた。関税措置を見据えた米国への前倒し輸入や人工知能（ＡＩ）関連物品の貿易増加を主因とした。

オコンジョイウェアラ事務局長はジュネーブで記者団に対し、「来年の見通しは暗い。非常に懸念している」と言及。ただ、世界貿易システムは耐性を示しており、ルールに基づく多国間システムは貿易の混乱の中で一定の安定性をもたらしていると述べた。