ニュース速報
ビジネス

豪年金基金、為替ヘッジ拡大を 海外投資増で=中銀副総裁

2025年09月16日(火)16時34分

9月16日、 オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)のハウザー副総裁は国内の年金基金セクターが世界2位の規模に成長する可能性が高く、海外投資の比率が増すため、為替ヘッジの利用を拡大する必要があるとの見解を示した。写真は豪ドル紙幣。2018年2月撮影(2025年 ロイター/Daniel Munoz)

[シドニー 16日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)のハウザー副総裁は16日、国内の年金基金セクターが世界2位の規模に成長する可能性が高く、海外投資の比率が増すため、為替ヘッジの利用を拡大する必要があるとの見解を示した。

シドニーで行われたCLSバンク・インターナショナルの理事会向けの講演で、豪ドルはグローバルリスク資産の「自然な」ヘッジとして引き続き良好に機能していると指摘。

同国の年金基金は、前四半期に米国の関税を受けて株価が下落した際に株式ヘッジを増やしたが、大幅に増やしたわけではなかったと述べた。

豪ドルは米国株に連動して下落する傾向があるため、年金基金はこれまで為替ヘッジの比率を低めに抑えてきた。

ただ、ハウザー氏は「不確実性は依然として高い」とし「状況は急速に変わり得る。スーパーファンド(年金基金)の資産残高が拡大するという構造的な傾向があり、資産の多くを海外に投資する必要が出てくる。特にスーパーファンドがリスク管理やシナリオ計画の能力を高めることがますます重要になっている」と述べた。

具体的には、年金基金セクターの総資産は現在、国内総生産(GDP)の150%だが、今後10年で180%に達する見通し。これに伴い、年金基金セクターの為替ヘッジ残高は今後10年で倍増し1兆豪ドルになる可能性があるという。

また、年金基金の加入者の平均年齢が上がるにつれ、リターンの確実性を求める動きが広がり、年金基金のポートフォリオが株式から債券に移行する可能性が高いと分析。債券は為替ヘッジの比率が高いと指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

独ZEW景気期待指数、9月は予想外に上昇

ワールド

「ガザは燃えている」、イスラエル軍が地上攻撃開始 

ビジネス

英雇用7カ月連続減、賃金伸び鈍化 失業率4.7%

ワールド

国連調査委、ガザのジェノサイド認定 イスラエル指導
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 3
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く締まった体幹は「横」で決まる【レッグレイズ編】
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 6
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 7
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 8
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中