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午後3時のドルは147円前半、手掛かり難 米連銀イベントは日銀にも注目

2025年08月21日(木)15時39分

 8月21日、午後3時のドルは、前日NY市場終盤とほぼ変わらずの147円前半で取引されている。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Shinji Kitamura

[東京 21日 ロイター] -

午後3時のドルは、前日NY市場終盤とほぼ変わらずの147円前半で取引されている。日中は手掛かり難から小動きが続いた。市場では、米カンザスシティ連銀がきょうから開催するシンポジウムに出席するパウエル連邦準備理事会(FRB)議長、植田和男日銀総裁らの発言に関心が集まっている。

日中のドル/円はほぼ横ばい。147円前半から半ばの狭い値幅でもみあいとなった。ワイオミング州ジャクソンホールで開催される同会合は、これまで何度か大きな政策変更が発表されたことがあるため、多くの参加者が注目するイベントとして知られており、開催を控えて「会合を見極めたい向きが多い」(大手銀トレーダー)という。

今年の会合の焦点は、米利下げの行方。米金利先物市場は現在、9月に0.25%の利下げが行われる確率を8割織り込んでいる。前週の9割超から低下したが、市場では9月以降の利下げ方針が示される可能性もあると、関心が集まっている。

植田総裁の発言に注目する声もあった。日本では、対米関税交渉の軟着陸が見え始め、株価は史上最高値を更新、石破茂首相の早期退陣懸念も後退し始めており、円相場には根強い下落圧力がかかる。「環境的には利上げが行われてもおかしくない。それでも慎重姿勢を崩さないのか、注目に値するタイミングだ」(りそなホールディングスのシニアストラテジスト、井口慶一氏)という。

ドルはユーロなど他の主要通貨に対しても、ほぼ横ばいだった。「相対的に好調な米景気が市場の注目点であることは変わらず、先の雇用統計が示した減速が本物かを見極めないと動きづらい」(みずほリサーチ&テクノロジーズ調査部主任エコノミストの東深澤武史氏)ことが、売買の手控えや値動きの鈍さにつながっているとの声もあった。

米金利先物市場が織り込む9月の利下げ確率は現在8割程度と、前週の9割超から低 下した。一方、アトランタ地区連銀の経済予測モデル「GDPナウ」は、雇用統計後に発 表された指標を織り込んでも、足元の成長率予測が19日時点でプラス2.3%と高い伸 びを示している。

前日に急落したNZドルは85円後半と、2カ月半ぶり安値圏で上値の重い値動きとなった。ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は20日、市場予想通り0.25%の利下げを実施したが、政策委員6人のうち2人が0.5%の利下げを主張したことで、「追加利下げ見通しを一気に織り込む展開になった」(外銀アナリスト )という。

NZドルは対米ドルでも4カ月ぶり安値を更新した。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 147.42/147.43 1.1649/1.1650 171.74/171.75

午前9時現在 147.29/147.33 1.1650/1.1652 171.60/171.66

NY午後5時 147.32/147.34 1.1651/1.1652 171.64/171.66

ロイター
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