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米企業、債務拡大へ信用契約の柔軟化要求 ムーディーズがリスク指摘

2025年08月14日(木)21時12分

 格付け会社ムーディーズ・レーティングスの新たなリポートによると、既存の貸し手から全面的な承認を得ずに債務を増やすため、信用契約においてより柔軟なコベナンツ(財務制限条項)を求める米企業が増えている。コロンビア・ボゴタで5月撮影(2025年 ロイター/Luisa Gonzalez)

Matt Tracy

[14日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズ・レーティングスの新たなリポートによると、既存の貸し手から全面的な承認を得ずに債務を増やすため、信用契約においてより柔軟なコベナンツ(財務制限条項)を求める米企業が増えている。

公募市場での新規債券発行に苦戦する信用力の低い米企業が契約の柔軟性拡大を強く求めているという。

ムーディーズによると、契約条項の変更により企業の債務調達能力を拡大する取引は、利払い・税・償却前利益(EBITDA)の40─300%に上った。

同社はこのような劇的な債務負担の増加は、特に借り手のプライベートエクイティ(PE)スポンサーが配当リキャップ(配当を目的とした負債の調達)やアドオン(既存先への追加融資)、買収に追加債務を使用する場合、既存の貸し手にとって大きな信用リスクになると指摘した。

ムーディーズによると、2024年初めから25年5月の間に89件の信用契約のうち10%に相当する9件が、より柔軟なコベナンツを求めたものだった。

この9件全てがPEの支援を受けた借り手によるもので、これには3月のPE企業ターン/リバー・キャピタルによるITシステムプロバイダー、ソーラーウィンズのレバレッジドバイアウト(LBO)や5月のKKRによるデリバティブ市場ソフトウエアプロバイダーOSTTRAのLBOの資金調達に関する当初提案のタームシートが含まれている。

ロイター
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