NY外為市場=ドル下落、FRB利下げ観測を意識 7月雇用統計なお影響

ニューヨーク外為市場では、ドルが円やユーロなどの主要通貨に対して下落した。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[ニューヨーク 6日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが円やユーロなどの主要通貨に対して下落した。先週発表された7月の雇用統計が予想を下回ったことを受け、米連邦準備理事会(FRB)が年内に実施する利下げの回数がこれまでの予想よりも多くなるとの見方が出ている。
先週1日に発表された7月の雇用統計では非農業部門雇用者数の伸びが予想以上に鈍化したほか、過去2カ月分の雇用者数も大幅に下方修正された。これを受けFRBによる利下げ観測が高まり、ドルは急落していた。この日は主要な米経済指標の発表がなかったため、雇用統計がなお注目された。
バノックバーン・グローバル・フォレックス(ニューヨーク)のチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「トランプ第2次政権発足後の初めてのドルの反発が見られていたが、7月の雇用統計で台無しになった」と指摘。「FRBが9月の会合で利下げを再開するとの見通しに加え、年末にもう1回利下げを実施するとの観測が再び台頭し、ドルの反発に待ったをかけた」と述べた。
CMEフェドウオッチよると、短期金融市場が見込む9月の会合で0.25%ポイントの利下げが決定される確率は95%。1週間前の48%から上昇した。
FRBの金融政策については、ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁がこの日、関税措置で米国のインフレ率が押し上げられ続けるかは分からないものの、経済の減速を受け、近い将来に利下げを実施しなければならない可能性があると述べている。
終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は0.56%安の98.18。7月28日以来の低水準を付けた。
ユーロ/ドルは0.76%高の1.1662ドル。7月28日以来の高水準を付けた。
ドル/円は0.35%安の147.09円。
自民党の次期総裁候補の1人に名前が挙がっている河野太郎元外相は6日に行った日本外国特派員協会での会見で、政府は日銀に金利を上げるように要請し、その代わりに支出を削減し財政均衡を図るべきだとの考えを示した。また、岸田文雄内閣で経済産業相を務めた斎藤健・自民党税調副会長はロイターとのインタビューで、日銀の追加利上げには慎重な立場を示し、「政府と日銀の連携が必要」と述べた。
暗号資産(仮想通貨)のビットコイン1.63%高の11万5516ドル。
ドル/円 NY午後3時 147.05/147.09
始値 147.56
高値 147.65
安値 146.98
ユーロ/ドル NY午後3時 1.1662/1.1663
始値 1.1606
高値 1.1668
安値 1.1598