英財務相、今年の予算で「不可能な三つの選択肢」に直面=シンクタンク

有力シンクタンクの英国立経済社会研究所(NIESR)は6日公表した報告書で、リーブス英財務相が今年秋に予定する予算編成で同時に実現が不可能な三つの選択肢(トリレンマ)」に直面していると述べた。リーブス財務相。ロンドンで7月15日撮影(2025年 ロイター/Isabel Infantes)
William Schomberg
[ロンドン 6日 ロイター] - 有力シンクタンクの英国立経済社会研究所(NIESR)は6日公表した報告書で、リーブス英財務相が今年秋に予定する予算編成で大幅な増税、歳出削減、自身が「交渉の余地なし」としている財政規則の修正という「同時に実現が不可能な三つの選択肢(トリレンマ)」に直面していると述べた。
NIESRによると、リーブス氏は2020年代末までに均衡財政を実現させる目標に対して、今年は410億ポンドの赤字を計上する見込みだ。
さらに、かつて99億ポンドあった財政の予備費を回復させようと望めば、500億ポンド以上の歳出削減あるいは増税が必要になる可能性があるかもしれないという。
ただリーブス氏は、昨年400億ポンドの規模で実施した増税を再び行わないと発言している。
NIESRは25年の英経済成長率の見通しを1.2%から1.3%にやや引き上げた。しかし30年までの成長率予測は主にトランプ米大統領の貿易関税が世界経済に与える影響を考慮に入れて全て下方修正した。
NIESRのマクロ経済副所長スティーブン・ミラード氏は、410億ポンドの財政赤字の見積もりが主に低い成長率見通しに基づいていると説明した。財政赤字は5月時点で570億ポンドと予測していたが、歳入が大幅に改善したために赤字の見積もりが縮小したという。