日鉄買収で「米発表待ちたい」と官房長官 米長官は承認可能との見解

林芳正官房長官は6日、ラトニック米商務長官が日本製鉄のUSスチール買収計画について承認可能とトランプ米大統領に伝えたと5日の議会公聴会で発言したことを「承知している」と述べた上で、「米政府による発表を待ちたい」との立場を示した。写真は2024年9月、東京で撮影(2025年 代表撮影)
Rie Ishiguro
[東京 6日 ロイター] - 林芳正官房長官は6日、ラトニック米商務長官が日本製鉄のUSスチール買収計画について承認可能とトランプ米大統領に伝えたと議会で発言したことを「承知している」と述べた上で、「米政府による発表を待ちたい」との立場を示した。
関係者による具体的な投資計画の検討・調整がこれまで進められており、「必要に応じて関係者間の意思疎通の促進に努めたい」と改めて説明した。
ラトニック氏は5日、米下院歳出委員会の公聴会で、対米外国投資委員会(CFIUS)による同計画の審査に関し、トランプ氏に国家安全保障上の懸念を緩和する措置が取られるならば「承認可能」と進言したと明らかにしていた。
「われわれも大統領も、この取引が米国にとって良いという見解に至った」とし、「米国をいかに確実に守るかについて議論している」と語った。
トランプ大統領は同計画に関し、5日までに最終判断を下すとみられていた。日鉄とトランプ政権は同日、バイデン前政権が出した同買収への禁止命令に関する訴訟について、米連邦控訴裁判所(高裁)が5日まで認めていた停止期間を8日間延長するよう要請した。
禁止命令は6月18日を買収計画放棄の期限と定めており、この日までに新たな動きがあるとの観測も出ている。