中銀は「トークン化」環境でも実効的金融政策が可能=NY連銀・BIS共同報告

ニューヨーク連銀と国際決済銀行(BIS)は14日に共同で公表した報告書で、デジタル通貨などが利用される「トークン化された」環境でも、中央銀行は実効性のある金融政策を遂行することが可能で、場合によっては政策の機敏さを高められるとの見方を示した。ニューヨークで2019年3月撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)
[ニューヨーク 14日 ロイター] - ニューヨーク連銀と国際決済銀行(BIS)は14日に共同で公表した報告書で、デジタル通貨などが利用される「トークン化された」環境でも、中央銀行は実効性のある金融政策を遂行することが可能で、場合によっては政策の機敏さを高められるとの見方を示した。
金融取引の分権化や新しい技術の普及に伴って、将来的に中銀の金融政策運営方法には変化が迫られる可能性が出てきている。
報告書は「民間金融セクターがホールセール市場で大規模にトークン化を進めれば、中銀は新たな市場インフラに参入し、デジタルトークンと相互に働きかけ合う形で金融政策の実効性を維持していかなければならないかもしれない」と指摘した。
こうした中で報告書によると、新規の自動化されたシステムに依存する金融システムに見合う金融政策のモデルを試作した結果、さまざまな市場環境において中銀が望む流動性環境を伴って、意図した通り政策を実行することができたという。
報告書は「中銀は(ブロックチェーン技術に基づく)スマート・コントラクトを活用したり、迅速に新たなファシリティーを創設するか既存のファシリティーを修正したりして、トークン化された環境でも金融政策の実行を最適化することが可能だ」と説明。その上で、不確実な環境下ではより機動的な政策を実行し、具体的措置の発表から提供までの時間差を縮小できる余地があると強調した。