CATL、香港上場で少なくとも40億ドル調達へ 今年世界最大

5月12日に提出された目論見書によると、中国の車載電池大手、寧徳時代新能源科技(CATL)は、香港での新規株式公開(IPO)で少なくとも310億1000万香港ドル(約39億9000万ドル)の調達を目指している。寧徳市で撮影(2025年 ロイター/Kevin Krolicki)
Scott Murdoch
[12日 ロイター] - 12日に提出された目論見書によると、中国の車載電池大手、寧徳時代新能源科技(CATL)は、香港での新規株式公開(IPO)で少なくとも310億1000万香港ドル(約39億9000万ドル)の調達を目指している。
公開株数は1億1790万株で、応募価格は最高で1株当たり263香港ドル。公開株数の調整オプションやグリーンシューオプションが行使されれば、調達額は約53億ドルに拡大する可能性があるという。
CATLの深セン上場株はきょう3.6%上昇し、6週間ぶりの高値に達した。中国の優良株指数であるCSI300指数の0.9%上昇を上回った。
ディールロジックのデータによると、CATLの40億ドルの調達は今年これまでで世界最大のIPOとなり、3月に東京で行われたJX金属を上回ることになる。
香港では、美的集団が昨年46億ドルを調達して以来、最大の規模となる。
目論見書によると、シノペックとクウェート投資庁を筆頭とする20超のコーナーストーン投資家が、約26億2000万ドル相当の購入を申し込んだ。
プライシングは13─16日に実施され、最終的な価格設定は19日かそれ以前に発表される予定。取引開始は20日。
IPO価格が1株当たり263香港ドルの場合、9日の深セン上場株の終値に対して若干のディスカウントとなる。
IPOは機関投資家向けが1億0910万株、香港の個人投資家向けが880万株。
CATLは、調達した資金の約90%にあたる約276億香港ドルを、BMW、ステランティス、フォルクスワーゲンなどの自動車メーカー向けに欧州で電池を生産する計画の一環であるハンガリー工場の建設に充てるとしている。
目論見書によると、米国のオンショア投資家は香港IPOでCATL株を購入することはできない。ただ、これら投資家の多くはオフショア口座も保有しているため、参加は可能となる。