ベトナムEVのビンファスト、納車加速でも国外販売は苦戦

ベトナムの電気自動車(EV)メーカー、ビンファストは13日、2024年の納車台数が前年比3倍近い約9万7000台となったが、販売はもっぱら国内市場に限られたと明らかにした。2023年3月、米ロサンゼルスで撮影(2025年 ロイター/Lisa Baertlein)
Phuong Nguyen
[ハノイ 13日 ロイター] - ベトナムの電気自動車(EV)メーカー、ビンファストは13日、2024年の納車台数が前年比3倍近い約9万7000台となったが、販売はもっぱら国内市場に限られたと明らかにした。
昨年第4・四半期に年間総販売台数の半分以上を占める5万3000台強を販売し、大幅に伸びたことから、同社は今年の世界販売台数を少なくとも倍増させる計画を示した。
24年の納車台数は下方修正した販売台数目標の8万台を超えた。当初は10万台の目標を掲げていた。
レ・ティ・トゥ・トゥイ会長は「ビンファストの2024年の業績は予想を上回り、市場やマクロ経済の変動に直面しても回復力を示した」と述べた。
ビンファストは人口約1億人を抱えて成長市場と期待できるベトナム国内で、積極的だがコストのかかる拡大戦略を推し進めている。前四半期により安価で小型なモデルを投入したことも販売台数拡大に寄与した。
ただ、23年に24億ドルの損失を計上後、昨年第1─第3・四半期は20億ドル近い赤字となり、親会社のビングループに負担をかけている。
海外進出も目指しているが、これまでのところ外国人顧客の獲得には苦戦中だ。1月発表の前回の声明で、同社は昨年の国内販売台数は8万7000台強と発表。この数字が修正されなければ、海外の販売台数は総販売台数の約10%にとどまる1万台程度ということになる。