米家計、所得向上でコロナ禍前より多くの借金可能に=NY連銀
米国の家計は所得水準向上のおかげで、コロナ禍前よりも多くの借金を抱える余裕が生まれた――。ニューヨーク連銀(写真)は11月13日公表した最新の四半期家計債務・与信報告でこうした見方を示した。2017年12月撮影(2024年 ロイター/Eduardo Munoz)
Michael S. Derby
[ニューヨーク 13日 ロイター] - 米国の家計は所得水準向上のおかげで、コロナ禍前よりも多くの借金を抱える余裕が生まれた――。ニューヨーク連銀は13日公表した最新の四半期家計債務・与信報告でこうした見方を示した。
報告によると、第3・四半期に家計全体が抱えた債務は前期比で0.8%増加し、17兆9400億ドルとなった。新型コロナウイルスのパンデミック発生前の2019年末に比べると3兆8000億ドル増えている。
債務増加に伴って延滞率も前期の3.2%から3.5%に上昇。債務の種類別ではクレジットカードの延滞が減ったものの、自動車ローンと住宅ローンで「幾分」増加した。自己破産件数はおよそ12万6000件と前期をわずかに下回った。
ただニューヨーク連銀は、家計全体で債務が増えたのは所得環境改善の結果という文脈で考えるべきだと主張している。
連銀が別のブログで明らかにした第3・四半期の家計の可処分所得は21兆8000億ドルで、所得に対する債務の比率は19年末の86%から82%に低下。「所得との相対的な債務規模はパンデミック前より小さくなっている」という。
調査担当者らは、この第3・四半期のデータから「増大が続く債務負担はなお管理可能だと読み取れる」と記した。
またメディアに対して、延滞件数は注視すべき要素だが、家計のバランスシート全体はかなり良好だと述べた。
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