ニュース速報
ビジネス

米家計、所得向上でコロナ禍前より多くの借金可能に=NY連銀

2024年11月14日(木)09時29分

 米国の家計は所得水準向上のおかげで、コロナ禍前よりも多くの借金を抱える余裕が生まれた――。ニューヨーク連銀(写真)は11月13日公表した最新の四半期家計債務・与信報告でこうした見方を示した。2017年12月撮影(2024年 ロイター/Eduardo Munoz)

Michael S. Derby

[ニューヨーク 13日 ロイター] - 米国の家計は所得水準向上のおかげで、コロナ禍前よりも多くの借金を抱える余裕が生まれた――。ニューヨーク連銀は13日公表した最新の四半期家計債務・与信報告でこうした見方を示した。

報告によると、第3・四半期に家計全体が抱えた債務は前期比で0.8%増加し、17兆9400億ドルとなった。新型コロナウイルスのパンデミック発生前の2019年末に比べると3兆8000億ドル増えている。  

債務増加に伴って延滞率も前期の3.2%から3.5%に上昇。債務の種類別ではクレジットカードの延滞が減ったものの、自動車ローンと住宅ローンで「幾分」増加した。自己破産件数はおよそ12万6000件と前期をわずかに下回った。

ただニューヨーク連銀は、家計全体で債務が増えたのは所得環境改善の結果という文脈で考えるべきだと主張している。

連銀が別のブログで明らかにした第3・四半期の家計の可処分所得は21兆8000億ドルで、所得に対する債務の比率は19年末の86%から82%に低下。「所得との相対的な債務規模はパンデミック前より小さくなっている」という。

調査担当者らは、この第3・四半期のデータから「増大が続く債務負担はなお管理可能だと読み取れる」と記した。

またメディアに対して、延滞件数は注視すべき要素だが、家計のバランスシート全体はかなり良好だと述べた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ、和平案巡り欧州と協議 ゼレンスキー氏が

ワールド

トランプ氏、イスラエル首相をホワイトハウスに招待 

ワールド

トランプ氏のMRI検査は「予防的」、心血管系は良好

ビジネス

米ISM製造業景気指数、11月は48.2に低下 9
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯終了、戦争で観光業打撃、福祉費用が削減へ
  • 2
    【クイズ】1位は北海道で圧倒的...日本で2番目に「カニの漁獲量」が多い県は?
  • 3
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果のある「食べ物」はどれ?
  • 4
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 5
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 6
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 7
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 8
    600人超死亡、400万人超が被災...東南アジアの豪雨の…
  • 9
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批…
  • 10
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中