ニュース速報
ビジネス

MUFG、三毛会長・亀澤社長ら21人処分 顧客情報の無断共有で

2024年07月19日(金)20時32分

 7月19日 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は19日、傘下の銀行・証券間で顧客の同意を得ずに情報を共有していた問題を巡り、亀澤宏規社長ら関係役員6人の報酬を減額すると発表した。写真は2016年5月、都内で撮影(2024年 ロイター/Thomas Peter)

Miho Uranaka

[東京 19日 ロイター] - 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は19日、傘下の銀行・証券間で顧客の同意を得ずに情報を共有していた問題を巡り、三毛兼承会長や亀澤宏規社長ら関係役員6人の報酬を減額すると発表した。経営管理責任や個別の案件関与などを問われた処分対象者は21人に上った。

亀澤社長は会見で、銀証連携を進める中で、内部管理体制は整備されていたが、実際に銀証連携を行う上でバランスが崩れつつあり、法令を正しく理解した上で順守する意識の浸透が十分に図られていなかったと述べた。「ある意味日本の中での主要な金融機関でありリーディングカンパニーであるという自負を持っていた中で、こういう事案があったことを重く受け止めている」とも語った。

MUFGの三毛会長については、グループ長としての管理・監督責任に加えて、一部の個別事案で管理・監督が十分でなかったことの責任を反映し、月額報酬の3割を5カ月間減額する最も重い処分とした。

亀澤社長、三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の小林真社長は月額報酬の3割を3カ月間減額する。退任役員については相当額の返上を要請する。6役員以外の関係役員についても社内規則に則り処分し、全部で21人が対象となる。

MUFGはこの日金融庁に提出した業務改善計画の中で役員による処分を公表。業績評価を見直し、営業部署・リスク管理部署によるモニタリング体制も強化する。役員向け研修も拡充・徹底する。金融庁は6月、MUFG傘下の銀行と2証券に対して「ファイアウオール規制」違反など金融商品取引法に基づいて業務改善命令を出した。

業績への影響について亀澤社長は、「完全に見積もることは難しいが、数十億円ぐらい」との認識を示した。

モルガン・スタンレーMUFG証券は同日声明を出し、関与者と経営陣を厳正に対処するとした。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ミャンマーで総選挙投票開始、国軍系政党の勝利濃厚 

ワールド

米北東部に寒波、国内線9000便超欠航・遅延 クリ

ワールド

米、中国の米企業制裁「強く反対」、台湾への圧力停止

ワールド

中国外相、タイ・カンボジア外相と会談へ 停戦合意を
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌や電池の検査、石油探索、セキュリティゲートなど応用範囲は広大
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 7
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 8
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 9
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 10
    【クイズ】世界で最も1人当たりの「ワイン消費量」が…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中