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再送物価の基調上昇なら、緩和度縮小「考えないといけない」=日銀総裁

2024年04月09日(火)14時09分

日銀の植田和男総裁は9日、参院財政金融委員会で、今後、基調的な物価上昇率が日銀の見通し通りに少しずつ上がっていけば「緩和の度合いの縮小を考えていかないといけない」と述べた。写真は会見する植田総裁。日銀本店で3月撮影。(2024年 ロイター/Kim Kyung-Hoon/File Photo)

(本文1段落目の誤字を修正しました)

Takahiko Wada

[東京 9日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は9日、参院財政金融委員会で、今後、基調的な物価上昇率が日銀の見通し通りに少しずつ上がっていけば「緩和の度合いの縮小を考えていかないといけない」と述べた。ただ、本当にそうなるかは今後の「データ次第」で、毎回の金融政策決定会合で経済・物価情勢の推移を丁寧に点検していくとした。現時点で、先行きどういうタイミングでどのように短期金利を動かしていくか「予断は持っていない」と語った。

「通貨および金融の調節に関する報告書」(半期報告)の概要を説明し、各議員からの質問に答えた。

半期報告では、消費者物価の基調的な上昇率が見通し期間の終盤にかけて物価2%目標に向けて徐々に高まっていくとした。植田総裁は質疑で、現時点では基調的な物価上昇率は「まだ少し2%を下回っている」と述べ、緩和的な金融環境を維持していくことが大切だと指摘した。

日銀は3月の金融政策決定会合で、マイナス金利の解除など大規模緩和政策の修正を決定。日銀当座預金の3層構造をやめ、超過準備にプラス0.1%の付利を実施することにした。

植田総裁は当預への付利について「金融機関への補助金を作り出す目的ではなく、短期市場で政策金利の誘導目標を実現するために行うものだ」と説明した。

(和田崇彦)

ロイター
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