ニュース速報
ビジネス

FRB当局者、年内3回の利下げ「妥当」 早すぎればリスクと指摘

2024年04月03日(水)09時33分

米連邦準備理事会(FRB)当局者の中でも金融政策スタンスが異なるとされるクリーブランド地区連銀のメスター総裁とサンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁のどちらもが2日、年内3回の利下げが「妥当」との見方を示した。写真はワシントンのFRBで2013年7月撮影(2024年 ロイター/Jonathan Ernst)

Ann Saphir Michael S. Derby

[2日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)当局者の中でも金融政策スタンスが異なるとされるクリーブランド地区連銀のメスター総裁とサンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁のどちらもが2日、年内3回の利下げが「妥当」との見方を示した。

デイリー総裁は「現時点で経済と政策は良好な状態にある」とし「インフレは低下しているが、そのペースは緩やかで平たんではない。労働市場は依然として好調で伸びも力強い。したがって、金利を調整する緊急性は全くない」と述べた。

3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で発表された金利・経済見通しでは、FRB当局者の大半が引き続き年内3回の利下げを想定していることが示された。ただ、19人中9人は年内の利下げ回数が2回以下と見込んだ。

デイリー総裁は年内3回の利下げが「非常に妥当な基本シナリオ」と指摘。同氏はハト派的スタンスを持つと考えられているが、自らを中道派と称している。

総裁は同時に、時期尚早な利下げで過度に高いインフレが固定化する「現実的なリスク」があるとも語った。

デイリー氏に比べてタカ派的スタンスを取るメスター氏は、年内3回の利下げは引き続き「妥当」としつつ、実現するかは微妙と記者団に話した。

高金利をあまりにも長時間維持して不必要に労働市場に打撃を与えるリスクはあるとしながらも、現時点では時期尚早の利下げ開始の方が「より大きなリスクになる」とした。

3日はパウエルFRB議長がスタンフォード大学で講演する。

市場は4月30日─5月1日のFOMCで利下げする確率がかなり低いとみている。メスター総裁は、利下げを正当化するのに十分な情報が同会合までに得られるとは思えないと述べた。

しかし、6月までに状況が変わる可能性も指摘。6月の利下げの可能性について「データ次第であることから、排除したくない」との考えを示した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

みずほFG、発行済み株式の2.4%・2000億円上

ワールド

タイ・カンボジア国境の地雷爆発、ASEANが現地調

ワールド

マレーシアGDP、第3四半期は前年比+5.2% 1

ワールド

中国紙「日本は軍国主義復活目指す」、台湾有事巡る高
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 5
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 6
    中国が進める「巨大ダム計画」の矛盾...グリーンでも…
  • 7
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 10
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中