ニュース速報
ビジネス

来年6月めどに所得減税、給付と併せ5兆円規模に=政府・与党筋

2023年10月25日(水)12時01分

岸田文雄首相が検討を指示した税収増の還元策について、政府が所得税などで4万円の減税を検討していることが分かった。写真は、2023年9月20日にNYで会見する同首相。(2023年 ロイター/Bing Guan)

Takaya Yamaguchi Yoshifumi Takemoto

[東京 25日 ロイター] - 政府・与党が検討を急ぐ「税収増の還元策」の概要が25日、分かった。定額減税では、所得税と住民税の増収分3.5兆円を念頭に1人あたり4万円を還元。実施時期は2024年6月と想定している。減税に先立つ低所得者世帯への給付と併せ、5兆円規模の支援策となる見通しだ。複数の政府、与党関係者が明らかにした。

納税額にかかわらず一定額を差し引く定額減税では、所得税3万円、住民税1万円の計4万円とする案が出ている。納税者本人に加えて扶養親族も含める方向で、平均世帯人数2.2人で換算すると1世帯では約9万円の減税となる。

減税額や時期などを盛り込んだ税制関連法案を来年1月召集の通常国会に提出し、年度末までの成立を目指す。

決算税収のうち、20年度に19.2兆円だった所得税収は22年度に22.5兆円に増えた。住民税は22年度に13.6兆円(20年度は13.4兆円)となっており、これらの増収分を分かりやすく還元することで、物価高に伴う家計負担を和らげる狙いがある。

減税措置に先立ち、低所得の子育て世帯に向けた支援も拡充する。住民税非課税世帯を対象にした7万円の現金給付に加え、定額減税の恩恵を十分に受けられない人が出ないようにするため、重点支援地方交付金による追加支援を検討する。

追加給付案は、政府が11月2日に閣議決定する総合経済対策に盛り込み、財源の裏付けとなる23年度補正予算成立後に速やかに実施する運びだ。

岸田文雄首相が26日の政府与党政策懇談会で、還元の具体策検討を正式に指示する。結論を得るまでの曲折も予想され、最終的な支援額は変動する可能性がある。

(山口貴也、竹本能文 編集:田中志保、久保信博)

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北朝鮮、日中韓首脳宣言に反発 非核化議論「主権侵害

ビジネス

独IFO業況指数、5月横ばいで予想下回る 改善3カ

ワールド

パプアニューギニア地滑り、2000人以上が生き埋め

ビジネス

EU、輸入天然ガスにメタンの排出規制 30年施行
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 2

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 3

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃がのろけた「結婚の決め手」とは

  • 4

    カミラ王妃が「メーガン妃の結婚」について語ったこ…

  • 5

    少子化が深刻化しているのは、もしかしてこれも理由?

  • 6

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 7

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 8

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 9

    エリザベス女王が「誰にも言えなかった」...メーガン…

  • 10

    胸も脚も、こんなに出して大丈夫? サウジアラビアの…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 3

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 4

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃…

  • 5

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決す…

  • 6

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 7

    戦うウクライナという盾がなくなれば第三次大戦は目…

  • 8

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結…

  • 9

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像を…

  • 10

    「天国にいちばん近い島」の暗黒史──なぜニューカレ…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中