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英賃金、6─8月は前年比7.8%上昇 1月以降初めて鈍化
10月17日、英国立統計局(ONS)が発表した6─8月の賃金はボーナスを除いたベースで前年比7.8%上昇し、5─7月の7.9%(改定値)からやや鈍化した。8月にロンドンの金融街のオフィスで撮影(2023年 ロイター/Kevin Coombs)
[ロンドン 17日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が17日発表した6─8月の賃金はボーナスを除いたベースで前年比7.8%上昇し、5─7月の7.9%(改定値)からやや鈍化した。ロイターがまとめたエコノミスト予想と一致した。
5─7月は2001年の統計開始以来、最も高い伸びを記録していた。
賃金の伸び鈍化は1月以降で初めて。求人件数も減少しており、労働市場に失速の兆しが出ている。
INGのエコノミスト、ジェームズ・スミス氏は「賃金の伸びはイングランド銀行(英中央銀行)にとってまだ高すぎるが、今回のデータは11月の利上げを後押しする内容ではない」と述べた。
ボーナスを含む賃金は8.1%上昇。ただ、8月の消費者物価上昇率は6.7%だったため、物価上昇の影響を除く実質ベースで賃金上昇率は小幅にとどまった。
中銀が注目する民間部門の賃金(ボーナスを除く)は8.1%上昇から8.0%上昇に鈍化した。
消費者物価指数(CPI)調整後の賃金はボーナスを除いたベースで0.7%上昇。約2年ぶりの高い伸びとなった。
7─9月の求人件数は2年ぶり低水準の98万8000件。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、アシュレー・ウェブ氏は、求人件数は15回連続で減少しており、労働市場の需給逼迫がやや緩和したと指摘。「賃金の伸びはピークを過ぎたが、今後は緩やかにしか鈍化しないのではないか」と述べた。