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中国7月製造業PMI、4カ月連続50割れ 刺激策の必要性高まる
中国国家統計局が31日発表した7月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.3と、6月の49.0から上昇したものの、景況拡大・悪化の分かれ目となる50を4カ月連続で下回った。写真は2022年8月、安徽省合肥市(2023年 人民日報)
[北京 31日 ロイター] - 中国国家統計局が31日発表した7月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.3と、6月の49.0から上昇したものの、景況拡大・悪化の分かれ目となる50を4カ月連続で下回った。内需拡大に向けた一段の政策支援の必要性を改めて示した。
市場予想の49.2は辛うじて上回った。
製造業PMIが4カ月以上連続で50を下回るのは2019年5─10月の連続記録以来で、製造業者の間で悲観的見方が根強くなっていることを示唆している。
同時に発表した非製造業PMIは51.5で、6月の53.2から低下。製造業と非製造業を合わせた総合PMIも52.9から51.1に低下した。建設業の指数は51.2と、3月の65.6から急低下しており、新型コロナウイルス禍の事業所の混乱が解消し始めた2月以来の低水準を付けた。
エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのシニアエコノミスト、徐天辰氏は建設活動の急低下について、不動産部門の「死のスパイラル」の可能性を示唆する懸念すべき兆候だと指摘。一方、製造業は在庫水準が改善し、在庫圧縮が終わりに近づくのに伴い製造業が第2・四半期に底を打った可能性を示唆している」とした。
第2・四半期の中国経済は国内外の需要低迷を背景に小幅な成長にとどまった。
国営メディアが先週報じたところによると、習近平国家主席は今年の発展目標を達成できるとの見通しを示した。だが、アナリストらは経済がさらに失速すれば、5%前後という控えめな成長目標も達成できない可能性があるとしている。
共産党は今月の中央政治局会議で、マクロ経済政策の調整を強化し内需拡大に注力すると表明。穏健な金融政策と積極的な財政政策を堅持し、マクロ調整を的確かつ力強く実施していく方針を示した。
製造業PMIの新規受注は縮小ペースが鈍化したが、輸出は減少が加速。内需主導の景気回復シナリオを裏付けた。
多くのアナリストは、債務リスクへの懸念から当局が積極的な景気刺激策を打ち出す可能性は低いとみている。
キャピタル・エコノミクスの中国担当責任者、ジュリアン・エバンスプリチャード氏は「中国経済が景気後退(リセッション)に陥るのを防ぐために政策支援が必要で、外部的逆風が長期間続く見通しであるからなおさらそう言える」と指摘。
具体的な支援策が近いうちに打ち出されなければ内需の落ち込みが悪循環を引き起こすリスクがあるとした。