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レカネマブ正式承認ならメディケア負担増は最大年間50億ドル超=調査

2023年05月12日(金)07時59分

5月11日、 エーザイと米バイオジェンが開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」が米高齢者向け公的医療保険「メディケア」で全面適用された場合、メディケアの医療費負担増は最大で年間50億ドルを超える――。写真はレカネマブの製品。1月にエーザイ提供(2023年 ロイター)

[11日 ロイター] - エーザイと米バイオジェンが開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」が米高齢者向け公的医療保険「メディケア」で全面適用された場合、メディケアの医療費負担増は最大で年間50億ドルを超える――。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究者を中心に行った調査でこうした見通しが示された。

定価が年間2万6500ドルのレカネマブは今年、米食品医薬品局(FDA)から迅速承認を取得。その後公表された臨床試験結果では、早期アルツハイマー病患者の認知機能低下を遅らせる効果が示されている。

FDAは7月6日までに、こうした臨床試験結果に基づいてレカネマブを正式承認するかどうかを決定する。

メディケアを運営するメディケア・メディケイド・センター(CMS)は現在、アルツハイマー病治療薬のメディケア適用を臨床試験の登録患者に限定しているが、FDAがレカネマブなどの治療薬を正式承認した場合は、対象患者の範囲を広げる方針を打ち出している。

こうした中でUCLAの研究者は、レカネマブの治療を受けられる患者数を最低限の8万6000人と見積もればメディケアが負担する医療費は20億ドル、治療対象患者が21万6000人前後になると想定すれば負担は51億ドルに達すると明らかにした。

ロイター
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