ニュース速報

ビジネス

アリババ創業者馬氏が中国へ帰国、李首相の要請との指摘も

2023年03月27日(月)19時26分

 3月27日、中国電子商取引大手アリババ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏(写真)が中国に戻り、杭州市で自身が設立した学校を訪問したと、香港英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が関係筋の話として伝えた。写真は2019ね5月、パリで撮影(2023年 ロイター/Charles Platiau)

[香港/北京 27日 ロイター] - 1年以上にわたって海外に滞在していた中国電子商取引大手アリババ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が中国に帰国した。中国経済を活性化したい当局者の狙いが背景にあるとの見方が出ている。

香港英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は27日、関係筋の話として、馬氏らが設立した杭州市の学校「杭州雲谷学校」を同氏が訪問したと伝えた。アリババはSCMPを所有している。

同校のSNS(交流サイト)アカウントによると、フィンテック大手アント・グループの創業者でもある馬氏は、同校との間で教育や人工知能(AI)対話ソフト「チャットGPT」技術について話し合った。またいつか教職に戻りたいと語ったという。

2人の関係者は馬氏が先週、帰国したと明らかにした。今回どれくらいの期間、中国に滞在する予定かは確認できていない。

同紙によると、馬氏は中国に戻る前には香港で友人に会ったり、「アートバーゼル」を訪れたりした。

北京云一資産管理のZhang Zihua最高投資責任者(CIO)は馬氏の帰国について、インターネット業界のセンチメントを押し上げるとの見方を示した。

「中国新指導部が経済発展におけるプラットフォーム企業の位置付けと重要性を再検討していることを意味するからだ」とし「プラットフォーム企業、インターネット業界に対するこれまでの引き締め的な政策は調整されることが予想される」と述べた。

アリババ株は報道を受けて一時4%以上値を上げたが、その後は上げ幅を縮小した。

中国当局は最近、民間企業に対する取り締まりを緩和し支援する意向を示しているが、馬氏が海外にとどまっていることが信頼回復の妨げになっているとの声が国内の起業家や投資家から出ていた。

李強首相はこうした状況を認識しており、昨年末から馬氏に帰国を要請していたと5人の関係者がロイターに明らかにした。馬氏が日本に滞在している間に同氏の仕事仲間などを通じて働きかけたという。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、シリア制裁解除で大統領令 テロ支援国家

ビジネス

ECBの次回利下げ、9月より後になる公算=リトアニ

ワールド

トランプ氏、日本に貿易巡る書簡送付へ 「コメ不足な

ワールド

米政権がロス市提訴、ICE業務執行への協力制限策に
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とんでもないモノ」に仰天
  • 3
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。2位は「身を乗り出す」。では、1位は?
  • 4
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引き…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 9
    飛行機のトイレに入った女性に、乗客みんなが「一斉…
  • 10
    顧客の経営課題に寄り添う──「経営のプロ」の視点を…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中