ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、GDP堅調でFRBタカ派維持との見方

2023年01月27日(金)06時35分

ニューヨーク外為市場ではドルが対ユーロで上昇した。2016年1月撮影(2023年 ロイター/Jason Lee)

[ニューヨーク 26日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが対ユーロで上昇した。米経済成長率が昨年第4・四半期も底堅かったことで、米連邦準備理事会(FRB)がタカ派的な姿勢を維持するとの見方が裏付けられた。

商務省が発表した2022年第4・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比2.9%増。伸びは前四半期の3.2%から減速したものの、市場予想の2.6%は上回った。

このほか、労働省発表の21日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は6000件減の18万6000件。ハイテク業界以外の企業や住宅や金融など金利に敏感なセクターは、パンデミック(世界的大流行)時に労働力確保が困難だったことから労働者を維持している。

エクイティ・キャピタル(ロンドン)のマクロエコノミスト、スチュアート・コール氏は、この日の米経済指標はまちまちだったとし、FRBがこれまでに実施した急速な金融引き締めを受けても、経済が回復力を示し続けていることが示唆されたと指摘。ただ、第4・四半期のGDPに大きく貢献した在庫の影響は今後は弱まっていくとし、「FRBは直ちに利上げ幅を0.25%ポイントに縮小するとの見方が裏付けられた」と述べた。

終盤の取引でユーロは0.23%安の1.08895ドル。ただ、23日に付けた9カ月ぶり高値(1.09295ドル)からそれほど乖離していない。

ドルは対円で0.54%高の130.275円。

市場は来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)や欧州中央銀行(ECB)理事会などの一連の中銀政策決定会合に注目。FRBの利上げ幅は0.25%ポイントと、昨年12月の0.50%から縮小すると予想されている一方、ECBは0.50%と、これまでと同様のペースの利上げを決定すると見られている。

英ポンドはおおむね横ばい。

豪ドルは0.71425米ドルと、7カ月ぶり高値を更新。昨年第4・四半期の消費者物価指数(CPI)が前年比7.8%上昇と、伸びが33年ぶりの大きさとなったことで、オーストラリア準備銀行(中央銀行)は利上げを継続するとの観測が高まった。

カナダドルは対米ドルで2カ月ぶり高値を更新。カナダ銀行(中央銀行)は前日、0.25%ポイントの利上げを決定。同時に、これまでの利上げの累積効果を見極めるために利上げをいったん停止する可能性を示唆した。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインはほぼ横ばいの2万3123ドル。

ドル/円 NY午後4時 130.23/130.26

始値 129.82

高値 130.61

安値 129.65

ユーロ/ドル NY午後4時 1.0890/1.0894

始値 1.0901

高値 1.0917

安値 1.0851

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

過度な為替変動に警戒、リスク監視が重要=加藤財務相

ワールド

アングル:ベトナムで対中感情が軟化、SNSの影響強

ビジネス

S&P、フランスを「Aプラス」に格下げ 財政再建遅

ワールド

中国により厳格な姿勢を、米財務長官がIMFと世銀に
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みんなそうじゃないの?」 投稿した写真が話題に
  • 4
    大学生が「第3の労働力」に...物価高でバイト率、過…
  • 5
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 6
    【クイズ】世界で2番目に「リンゴの生産量」が多い国…
  • 7
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 10
    インド映画はなぜ踊るのか?...『ムトゥ 踊るマハラ…
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 4
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 5
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 10
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中