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米国株式市場=続落、テスラとアップル大幅安 利上げ見通しも警戒

2023年01月04日(水)07時23分

米国株式市場は続落して2023年最初の取引を終えた。2022年11月撮影(2023年 ロイター/Brendan McDermid)

[3日 ロイター] - 米国株式市場は続落して2023年最初の取引を終えた。テスラとアップルが大幅安となったほか、12月米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨公表が待たれる中、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ見通しを巡る警戒感も広がった。

テスラは20年8月以来の安値を付けた後、約12%安で取引を終え、一般消費財セクターを圧迫。22年第4・四半期の納入台数が市場予想を下回った。

アップルも21年6月以来の安値を付け、3.7%安で終了。需要鈍化を巡る報道や、新型コロナウイルス感染拡大の打撃を受ける中国での生産の混乱を理由にアナリストが投資判断を引き下げたことを嫌気した。

昨年に大きく上昇したエネルギー株もこの日は3.6%下落。中国の軟調な経済指標や世界経済の見通しを巡る懸念から原油先物が値下がりした。

主要株価指数は昨年、FRBの急速な利上げを受けて年間で08年以来の大幅な下げを記録した。

ウェドブッシュ・セキュリティーズの株取引担当マネジングディレクター、マイケル・ジェームズ氏は「22年は株式市場にとってひどい年だった。その理由の一部は新年になったからといって消えたわけではない」とし、「FRBやインフレを巡る不透明感や不安はなお高く、それが解消されるまで株式が上向きに前進するのは難しいだろう」と述べた。また、この日は大型株のアップルやテスラを巡る個別の懸念もS&P総合500種全体を圧迫したと指摘した。

セクター別ではエネルギーのほか情報技術が1%安と軟調だった。アップルの時価総額が21年3月以降で初めて2兆ドルを割り込んだことが重しとなった。

テスラの下落率が20年9月以来の大きさとなる中、一般消費財も0.6%下落した。一方、通信サービスはメタ・プラットフォームズの3.7%上昇を追い風にプラスとなった。

市場では4日に公表される12月FOMCの議事要旨に注目が集まる。FRBは同会合で利上げ幅をそれまで4会合の75ベーシスポイント(bp)から50bpに縮小した。

このほか今週は4日にISM製造業景気指数、6日に12月雇用統計の発表も予定される。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.42対1の比率で上回った。ナスダックでも1.20対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は106億1800万株。直近20営業日の平均は107億9900万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 33136.37 -10.88 -0.03 33148.90 33387.52 32850.57

前営業日終値 33147.25

ナスダック総合 10386.99 -79.50 -0.76 10562.06 10613.06 10309.16

前営業日終値 10466.48

S&P総合500種 3824.14 -15.36 -0.40 3853.29 3878.46 3794.33

前営業日終値 3839.50

ダウ輸送株20種 13398.03 +6.12 +0.05

ダウ公共株15種 970.68 +3.28 +0.34

フィラデルフィア半導体 2500.99 -31.12 -1.23

VIX指数 22.90 +1.23 +5.68

S&P一般消費財 999.54 -5.94 -0.59

S&P素材 489.04 -0.51 -0.10

S&P工業 833.12 +1.72 +0.21

S&P主要消費財 777.29 -1.84 -0.24

S&P金融 571.88 +2.14 +0.38

S&P不動産 233.09 +0.72 +0.31

S&Pエネルギー 647.97 -24.37 -3.63

S&Pヘルスケア 1580.97 -4.57 -0.29

S&P通信サービス 161.59 +2.22 +1.39

S&P情報技術 2150.31 -21.86 -1.01

S&P公益事業 358.50 +0.02 +0.01

NYSE出来高 9.55億株

シカゴ日経先物3月限 ドル建て 25815 - 175 大阪比

シカゴ日経先物3月限 円建て 25780 - 210 大阪比

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