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中国世茂集団が債務返済計画との報道、ムーディーズは格下げ

2021年12月17日(金)16時46分

 12月17日、中国の不動産開発会社、世茂集団は、第4・四半期が期日の社債の元利金を支払う意向を示した。写真は上海で2013年1月撮影(2021年 ロイター/Stringer)

[上海 17日 ロイター] - 中国の不動産開発会社、世茂集団は、第4・四半期が期日の社債の元利金を支払う意向を示した。金融情報サービスのREDDが報じた。これを受けて傘下企業の社債価格は上海市場で幅広く上昇した。一方、大手格付け会社ムーディーズは17日、借り換えリスクの高まりを理由に世茂の格付けを引き下げた。

信託会社に債務を返済する方針を伝えたという。また、報道によると、世茂は中国の春節(旧正月)までに移民の従業員に給与を支払う考え。

傘下企業の上海世茂と上海世茂建設の社債は17日の上海証券取引所社債市場で値上がり率上位に入った。上海世茂の2024年9月満期債は7%超値上がりした。

世茂の株価と社債価格は今月、資産売却や顧客による住宅購入のキャンセルを巡る懸念で急落していた。

REDDによると、同社は信託会社に対し、期限が迫っている融資の返済繰り延べを要請。また1月1日以降、第三者が管理する「エスクロー口座」から100億元(16億ドル)相当の現金が引き出されるとの見通しを示したという。

世茂の最大の債権者である招商銀行は同社への融資残高を現在の300億元から引き上げる方針で、同社への金融支援について他の金融機関の同意を取り付ける計画とされる。

ムーディーズは17日、世茂のコーポレート・ファミリー格付け(CFR)を「Ba1」から「Ba3」に引き下げ、さらに格下げする方向で検討すると表明した。

「格付けの引き下げは、資金調達上の制約や、今後6─12カ月に大量の債務が償還を迎える中での借り換えリスクの高まりを反映している」と説明。22年には外貨建て債17億ドル、元建て債89億元(14億ドル)の満期が到来するという。

後場の香港株式市場で世茂は3.7%下落している。

ロイター
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