ニュース速報

ビジネス

国際課税巡るG20合意、画期的成果と強く歓迎=麻生財務相

2021年07月11日(日)08時37分

 7月10日 麻生太郎財務相は10日、イタリアのベネチアで開かれた主要20カ国・地域(​G20)財務相・中央銀行総裁会議後に会見し、国際課税を強化することで合意したことに歓迎の意を示した。写真は6月のG7財務相会合に参加した麻生氏(左)とイタリアのフランコ財務相。6月、5日、ロンドンで撮影(2021年 Rob Pinney/Pool via REUTERS)

[ベネチア/東京 10日 ロイター] - 麻生太郎財務相は、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で国際課税の強化で合意したことについて「画期的な成果と強く歓迎している」と述べた。会合後に現地で記者団に語った。債務削減による途上国支援では中国を念頭に、債務の透明性や説明責任を高めるよう主張したことを明らかにした。

対面でのG20は2020年2月のサウジアラビア・リヤドでの会合以来、約1年5カ月ぶり。日本からは麻生財務相のほか、日銀の黒田東彦総裁が出席した。

麻生財務相は今回のG20で「世界経済やパンデミック対応、国際課税、気候変動、低所得国支援など幅広く議論した」と語った。課税強化策では、経済協力開発機構(OECD)で131カ国・地域が23年から実施する大枠で合意。法人税率の引き下げ競争に歯止めをかけるための最低税率導入や、巨大IT企業などの税逃れを防ぐデジタル課税でも一致した。G20の閣僚も足並みをそろえた形だ。

途上国の債務問題では「透明性や説明責任が重要」との認識をあらためて示した。G20に先立ち国際通貨基金(IMF)は9日、6500億ドルの特別引き出し権(SDR)の新規配分を支持しており、正式な承認を踏まえて8月末までに配分する前の対応を求めた。

同席した黒田日銀総裁は、気候変動対応に関し「グローバルな重要な問題であるとの認識のもとでリスクモニタリングを強化していくことやシナリオ分析や情報開示など金融面の対応を進めていくことが確認された」とした。

黒田総裁はG20で、気候変動対応投融資をバックファイナンスする新しい資金供給制度導入に触れ、「気候変動に対する日銀の取り組み方針を説明した」と述べた。「金融安定に向けた取り組みをさらに進めていくべき」との考えもG20で表明した。

*発言内容を追加し、再構成しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ドイツ銀、S&P500年末予想を5500に引き上げ

ビジネス

UAE経済は好調 今年予想上回る4%成長へ IMF

ワールド

ニューカレドニア、空港閉鎖で観光客足止め 仏から警

ワールド

イスラエル、ラファの軍事作戦拡大の意向 国防相が米
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『悪は存在しない』のあの20分間

  • 4

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 5

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 6

    「裸に安全ピンだけ」の衝撃...マイリー・サイラスの…

  • 7

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 8

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 9

    「すごく恥ずかしい...」オリヴィア・ロドリゴ、ライ…

  • 10

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 9

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 10

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中