ニュース速報

ビジネス

米製造業PMI、6月は過去最高 価格上昇続く

2021年06月24日(木)00時55分

IHSマークイットが23日に公表した6月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は62.6と、統計が製造業全体をカバーするために改定された2009年10月以降で最高となった。NYのリサイクルガラスメーカー。3日撮影(2021年 ロイター/Andrew Kelly)

[ワシントン 23日 ロイター] - IHSマークイットが23日に公表した6月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は62.6と、統計が製造業全体をカバーするために改定された2009年10月以降で最高となった。ただ製造業者は依然として原材料と適切な人材の確保に苦戦しており、企業や消費者物価の上昇をもたらしている。市場予想は61.5だった。

5月の製造業PMI確報値は62.1だった。

指数は50が景気拡大・縮小の節目となる。製造業は米経済の11.9%を占める。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で移動規制が導入されたため需要がサービスからモノに移行した。その後、ワクチン接種や政府による数兆ドル規模の景気刺激策により経済活動が広範に再開したが、モノの需要は底堅さを保っている。需要の急増に供給が追いつかず、未完成品が積み上がったり原材料や完成品の価格が急騰したりしており、物価上昇圧力が高まっている。

IHSマークイットは「供給業者の納品までにかかる期間が過去最長となった」と述べた。

仕入価格を示す指数は83.8と、最高となった。5月は78.1だった。IHSマークイットは「企業がコスト増を転嫁するために販売価格を急速に押し上げた」と述べた。

新規受注指数は前月から低下した。IHSマークイットは「企業が人材を見つけたり労働者の再就職を促したりすることに苦戦した」とも指摘した。

サービス業PMIは64.8と、5月の70.4から低下したものの、依然として統計を開始した09年10月以来2番目の高い水準だった。サービス業は米経済の3分の2以上を占める。サービス業の企業は適切な人材や働く意欲のある人材を探せないことや物価上昇に対して懸念を示した。

サービス業が前月から低下したことで双方を合わせた5月の米総合PMIは63.9と、5月の確報値である68.7から低下した。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

9月のEU新車販売、前年比6.1%減 ハイブリッド

ビジネス

米ルーシッド、株式公募で2026年までの運営資金を

ワールド

EU、重要鉱物の共同購入プラットフォーム開発業者選

ビジネス

ドル151円台へ上昇、3カ月ぶり高値 米金利も上抜
MAGAZINE
特集:米大統領選 イスラエルリスク
特集:米大統領選 イスラエルリスク
2024年10月29日号(10/22発売)

イスラエル支持でカマラ・ハリスが失う「イスラム教徒票」が大統領選の勝負を分ける

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 2
    逃げ場はゼロ...ロシア軍の演習場を襲うウクライナ「ATACMS」攻撃、無防備な兵士たちを一斉爆撃
  • 3
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア兵の正面に「竜の歯」 夜間に何者かが設置か(クルスク州)
  • 4
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 5
    「常軌を逸している」 トランプ、選挙集会で見せた「…
  • 6
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
  • 7
    ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせ…
  • 8
    「なぜその格好...」ルーブル美術館を貸し切った米モ…
  • 9
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 10
    グロズヌイ「巨大爆発」の瞬間映像...「戦時」の不安…
  • 1
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の北朝鮮兵による「ブリヤート特別大隊」を待つ激戦地
  • 2
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア兵の正面に「竜の歯」 夜間に何者かが設置か(クルスク州)
  • 3
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料を1ウォンも払わず 「連絡先分からず」と苦しい言い訳
  • 4
    目撃された真っ白な「謎のキツネ」? 専門家も驚くそ…
  • 5
    ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせ…
  • 6
    逃げ場はゼロ...ロシア軍の演習場を襲うウクライナ「…
  • 7
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 8
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶり…
  • 9
    裁判沙汰になった300年前の沈没船、残骸発見→最新調…
  • 10
    「メーガン・マークルのよう」...キャサリン妃の動画…
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 3
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の北朝鮮兵による「ブリヤート特別大隊」を待つ激戦地
  • 4
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 5
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 6
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 7
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 8
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 9
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
  • 10
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中