ニュース速報

ビジネス

独自動車産業、新技術への投資なければ雇用崩壊=労組IGメタル

2021年05月07日(金)09時43分

 ドイツ最大の労組IGメタルのイェルク・ホフマン代表は5月6日、同国の自動車産業は電気自動車(EV)用の電池をはじめとする新技術に投資しない限り、「雇用の崩壊」に直面することになると警告した。2020年6月、インゴルシュタットにあるアウディの工場で撮影(2021年 ロイター/Andreas Gebert)

[フランクフルト 6日 ロイター] - ドイツ最大の労組IGメタルのイェルク・ホフマン代表は、同国の自動車産業は電気自動車(EV)用の電池をはじめとする新技術に投資しない限り、「雇用の崩壊」に直面することになると警告した。

同国のIFO経済研究所の調査によると、EVへのシフトによって、企業が従業員の再教育を加速しない限り、2025年までに内燃機関生産に携わる約10万人の雇用が失われる可能性があるという。

ホフマン氏はロイターに「雇用の喪失分が完全に補えると主張する人は偽りの期待を抱かせている」と強調。

バッテリー駆動車は内燃機関車に比べて組み立て作業が少ないため、EV普及で技能のミスマッチが生じ、失業につながるリスクに対応するため、自動車と自動車部品のメーカーは従業員の再教育が必要になる。

ホフマン氏によると、ドイツの自動車産業で内燃機関技術に直接携わる26万人の労働者のうち、数万人が失業のリスクにさらされている。

「電池技術などの分野への投資が行われたとしても大きな挑戦となる。投資や工業化なしでは、私たちは雇用崩壊に直面する」と警告した。

ドイツ政府は2030年までに二酸化炭素(CO2)排出量を65%削減する目標を掲げており、ホフマン氏は自動車業界の排出量規制も厳しくなると予想。政府の新たな目標下で、2029年までにドイツの公道で走るEVが1400万─1600万台まで増えることになるとした。従来は700万─1000万台と推計されていた。

「その段階になれば新車3台のうち2台は完全なEVまたはハイブリッドになる見込みだ。EVが1台増えるごとに内燃機関車は1台減る」と語った。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア黒海沿岸でウクライナのドローン攻撃、船舶2隻

ワールド

トランプ氏、グリーンランド特使にルイジアナ州知事を

ビジネス

午前の日経平均は大幅続伸、5万円回復 AI株高が押

ワールド

韓国大統領府、再び青瓦台に 週内に移転完了
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 7
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 8
    米空軍、嘉手納基地からロシア極東と朝鮮半島に特殊…
  • 9
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 9
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 10
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中