ニュース速報

ビジネス

トヨタ、高速道路で手放し運転可能な「LS」と「ミライ」発売

2021年04月08日(木)14時36分

 4月8日、トヨタ自動車は、高級ブランド「レクサス」のセダンでハイブリッド車の「LS 500h」と燃料電池車の「MIRAI(ミライ)」で、自動運転など高度な運転支援技術の新機能を搭載した新型車を投入すると発表した。写真はジュネーブで2019年3月撮影(2021年 ロイター/Pierre Albouy)

(本文中の表記を一部修正して再送しました。)

[東京 8日 ロイター] - トヨタ自動車は8日、高級ブランド「レクサス」のセダンでハイブリッド車の「LS 500h」と燃料電池車の「MIRAI(ミライ)」で、自動運転など高度な運転支援技術の新機能を搭載した新型車を投入すると発表した。初めて高速道路での手放し走行機能やソフトウエアを自動更新する技術などを取り入れた。新型LSは同日、新型ミライは12日に国内で発売する。

トヨタの自動運転開発は、人による運転を完全に排除せず、車のシステムによる運転と調和させる理念に基づいて推進している。新機能「アドバンスト・ドライブ」もこの理念に基づいている。

新機能では、ドライバーが安心してシステムに運転操作を任せられるよう性能を向上させた。高速道路や車専用道路での追い越しや車線変更をシステムが提案し、ドライバーは前方を監視しながら、ハンドルやアクセル、ブレーキの操作をせずに運転できる「レベル2」の自動運転ができる。

チーフ・テクノロジー・オフィサーの前田昌彦氏は自動運転技術について、単にレベルを上げるのではなく「究極の安全と移動の自由を実現する」のが狙いとし、人とシステムとの運転のバランスが重要との考えを示した。

トヨタの市販車として初となるソフトウエアを自動更新できるOTA(Over-The-Air)と呼ぶ技術も採用した。スマートフォンで基本ソフト(OS)やアプリを更新するように、車の購入後も機能を改善したり増やしたりできる。

AI(人工知能)技術を活用し、運転中に遭遇するあらゆる状況の予測と対応も支援する。周辺環境の認識にはステレオカメラ、ミリ波レーダー、ライダーといったセンサーを使用。車外の画像や走行データを記録し、トヨタのサーバーに送信することで今後の自動運転・先進安全・地図などの関連技術の研究開発に生かす。

新型LSは1632万円と1794万円、新型ミライは845万円と860万円。システムを搭載していないモデルから約50万円高くなる。

自動運転技術を巡っては他社でも高級車への搭載が相次いでいる。ホンダが今年3月、一定条件下でシステムが監視義務を担う自動運転技術のレベル3を搭載した「レジェンド」を投入。日産自動車は2019年に高速道路で手放し運転できるレベル2の「スカイライン」を投入している。

*一部の表記を追加しました。

(白木真紀)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

赤沢再生相、ラトニック米商務長官と3日と5日に電話

ワールド

OPECプラス有志国、増産拡大 8月54.8万バレ

ワールド

OPECプラス有志国、8月増産拡大を検討へ 日量5

ワールド

トランプ氏、ウクライナ防衛に「パトリオットミサイル
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚人コーチ」が説く、正しい筋肉の鍛え方とは?【スクワット編】
  • 4
    孫正義「最後の賭け」──5000億ドルAI投資に託す復活…
  • 5
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    「詐欺だ」「環境への配慮に欠ける」メーガン妃ブラ…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 10
    反省の色なし...ライブ中に女性客が乱入、演奏中止に…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 5
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 6
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 7
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 8
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とん…
  • 9
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 10
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中