ニュース速報

ビジネス

NY証取、中国3社の上場廃止計画再開も 規制対象なら=関係者

2021年01月06日(水)20時50分

 ニューヨーク証券取引所(NYSE)は、中国通信3社の上場廃止計画を再開する可能性がある。関係筋が5日、明らかにした。写真は中国移動(チャイナモバイル)、中国電信(チャイナテレコム)、中国聯通(チャイナユニコム)のロゴ。上海で2018年11月撮影(2021年 ロイター/Aly Song)

[ニューヨーク/ワシントン/香港 5日 ロイター] - ニューヨーク証券取引所(NYSE)は、中国通信3社の上場廃止計画を再開する可能性がある。関係筋が5日、明らかにした。

NYSEは4日、米財務省外国資産管理室(OFAC)関係者との協議を踏まえ、中国移動(チャイナモバイル)、中国電信(チャイナテレコム)、中国聯通(チャイナユニコム)香港の上場廃止手続きを中止すると発表したばかり。

中国軍関連企業への投資を禁じる米大統領令の適用範囲を巡る混乱が原因で上場廃止計画を撤回した格好だ。関係筋によると、大統領令の対象と確認されれば、上場廃止となる。ブルームバーグも、NYSEが上場廃止撤回の決定を見直していると伝えていた。

関係筋によると、ムニューシン財務長官はこれより先、NYSEのステーシー・カニンガム社長に電話で、上場廃止撤回に反対の立場を伝えた。

ムニューシン氏はこれまで、国務省など政権内の対中強硬派による中国企業への規制強化の動きを和らげようと穏健な立場を取ってきた。

上場廃止を巡る問題について議会と作業を進めているある中国専門家は、NYSEが財務省にルールの明確化を求め、上場廃止の必要はないとの回答を得ていれば、上場廃止を撤回していた可能性があると指摘。

対中強硬派のマルコ・ルビオ上院議員(共和党)は、財務省が原因で、NYSEが上場廃止手続きの撤回を表明した可能性があると批判。

「もし(財務省の)誰かが(NYSEに)中国企業の上場廃止決定を撤回するよう勧告していたとすれば、大統領令の効力を低下させるとんでもない行為だ」とツイッターに投稿した。

財務省は、NYSEによる上場廃止撤回の決定ついてコメントを控えた。OFACもコメントしていない。

トランプ政権が昨年11月に発表した大統領令は、中国軍が所有または支配していると米政府が指定した中国企業35社の証券を米投資家が購入することを2021年11月から禁止する内容。実質的に1月11日から有効となる。上場廃止は命じていない。

一方、トランプ大統領が昨年署名し成立した法律では、米国の会計監査規則に3年連続で従わなかった中国など外国の企業を上場廃止にすることを定めている。

11月の大統領令を受け、FTSEラッセルやMSCIなど指数算出会社は対象の中国企業を指数から除外すると発表しているが、いずれも通信3社は除外していない。

*大統領令が有効となるタイミングを追加しました。

GFMアセット・マネジメント(香港)のマネジング・ディレクター、タリク・デニソン氏は、NYSEの方針転換について、中国企業への投資を禁じる措置の実行面や影響に関する不透明感を浮き彫りにしたと指摘した。

バイデン次期米大統領の対応も問われることになる。同氏の政権移行チームは大統領令を巡る方針についてコメントしていない。

中国を専門とするハーバード・ビジネス・スクールのウィリアム・カービー教授は4日、トランプ政権は中国企業の規制について画一的なアプローチをとってきたが、バイデン政権は企業ごとに個別に対応する可能性が高いとの見方を示した。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米大統領上級顧問、鉄鋼・アルミ関税引き下げ計画を否

ワールド

ドイツ首相、米欧の関係再構築呼びかけ 防衛力強化の

ワールド

OPECプラス8カ国、4月からの増産再開を検討=関

ワールド

米財務長官、鉄鋼・アルミ関税縮小の決定は「トランプ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    50歳には「まったく見えない」...信じられないレベルの「若見え」な女性の写真にSNS震撼
  • 4
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 5
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 6
    毛沢東への回帰? それとも進化? 終身支配へ突き…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    「ドルも弱い」なのになぜ、円安が進む? 「ドル以外…
  • 9
    やはりトランプ関税で最も打撃を受けるのは米国民と…
  • 10
    「賢明な権威主義」は自由主義に勝る? 自由がない…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 6
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 7
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 8
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中