ニュース速報

ビジネス

ユーロ3カ月ぶり高値から下げ転換、コロナ巡る懸念で=欧州市場

2020年11月27日(金)02時09分

欧州外為市場では、ユーロが対ドルで一時約3カ月ぶりの高値を付けた後、下げに転じた。欧州での新型コロナウイルス感染拡大を巡る懸念が重しとなった。ブリュッセルで2011年12月撮影(2020年 ロイター/YVES HERMAN)

[ロンドン 26日 ロイター] - 欧州外為市場では、ユーロが対ドルで一時約3カ月ぶりの高値を付けた後、下げに転じた。欧州での新型コロナウイルス感染拡大を巡る懸念が重しとなった。

序盤の取引では低調な米経済指標などを背景にドル売りが優勢だったが、後半に入るとリスク通貨が上げ幅を縮小。目先の不確実性などが意識された。

ドイツのメルケル首相は26日、新型コロナの感染拡大を抑制し、医療システムへの過度な負担を避けるために、当面は国民の生活に制限を強いることになるだろうと述べた。

米連邦準備理事会(FRB)が25日に公表した11月4─5日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、12月の次回FOMCで量的緩和策が強化される可能性が示されたことも、この日序盤のドル売りにつながった。

議事要旨では、先行きが不透明なため、少数の参加者はガイダンスに短期的な変更を加えることに消極的な姿勢を示したが、「多くの参加者が、近いうちに資産購入のガイダンスを強化することが望ましいと判断した」とされた。

MUFGの外為アナリスト、リー・ハードマン氏は、FRBが少なくとも月額1200億ドルの資産買い入れ継続に向けコミットする可能性があるものの、量的緩和の規模が必ずしも拡大されるとは限らないと指摘。ただ、「FRBの緩和的な政策が来年も米ドルの重しになり続けるとの見方を裏付ける」とした。

一方で「ドルショートがすでに積み上がっており、これが下方モメンタムを鈍らせ、ショートカバーのリスクをもたらすことを短期的に警戒している」と述べた。

ユーロ/ドルは0.2%安の1.1895ドル。一時1.1941ドルと9月1日以来の高値を付けた。ドル指数は0.1%高の92.12。一時91.84と3カ月ぶりの安値を付けた。

スウェーデンクローナは対ドルで0.6%安の8.5380クローナ、対ユーロで0.4%安の10.1585クローナとなった。

スウェーデン中央銀行は26日、主要政策金利を予想通りゼロ%に据え置く一方で、量的緩和措置である資産買い入れプログラムの規模を2000億クローナ(234億7000万ドル)拡大し、期間も2021年末に延長すると発表した。

欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミストを務めるフィリップ・レーン専務理事は26日、インフレ率の低下をさらに長期間容認した場合、消費や投資に悪影響を及ぼすほか、期待インフレの低下も根付かせることになるという考えを示した。

ノルウェークローネは対ドルで一時8.8160クローネと3カ月ぶりの高値に上昇。終盤は0.5%安の8.8855クローネ。対ユーロでも0.5%安の10.5685クローネとなった。

豪ドルは0.1%安の0.7358米ドル。一時約3カ月ぶりの高値の0.7374米ドルを付けた。カナダドルはほぼ変わらずの1米ドル=1.3007カナダドル。

ポンドは0.4%安の1.3328ドル。一時3カ月ぶり高値の1.3399ドルとなった。対ユーロでも0.3%安の0.8926ポンドとなった。

<為替> 欧州終盤 アジア市場終盤 コード

ユーロ/ドル    1.1907 1.1926

ドル/円 104.24 104.32

ユーロ/円 124.15 124.41

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ紛争は26年に終結、ロシア人の過半数が想

ワールド

米大使召喚は中ロの影響力拡大許す、民主議員がトラン

ワールド

ハマスが停戦違反と非難、ネタニヤフ首相 報復表明

ビジネス

ナイキ株5%高、アップルCEOが約300万ドル相当
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 5
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 8
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    【投資信託】オルカンだけでいいの? 2025年の人気ラ…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 4
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 7
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 10
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中