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NY市場サマリー(20日)ダウ219ドル安、ドル上昇

2020年11月21日(土)07時12分

[20日 ロイター] - <為替> ドルがユーロや円などの主要通貨に対して上昇した。市場では新型コロナウイルス感染拡大への警戒感と、ワクチン開発への期待がせめぎ合っている。

米製薬大手ファイザーはこの日、開発中の新型コロナウイルスワクチンの緊急使用許可を米食品医薬品局(FDA)に申請した。コロナワクチンの緊急使用許可申請は米国内で初めて。同社は18日、臨床試験(治験)で95%の予防効果が確認され、重篤な副作用も見られなかったとする最終結果を発表していた。

キャピタル・エコノミクスの市場エコノミスト、ジョナサン・ピーターソン氏は「現在はコロナ禍からの回復の初期段階にある」とし、こうした状況はドルの重しとなると同時に、ユーロの支援要因になるとの見方を示した。

ムニューシン米財務長官は前日、新型ウイルス危機を受けて導入した連邦準備理事会(FRB)の緊急融資プログラムの一部について、期限を延長せず12月31日に終了すると表明。オーバーナイトの取引でドルが一時上昇するなどの動きが出た。

ムニューシン長官はこの日、コロナ禍で中小企業が必要としているのは融資ではなく返済義務のない補助金だと述べ、理解を求めた。

マネックス・ヨーロッパはリサーチノートで「大部分の緊急融資プログラムは、財務省がバックストップに提供する額以上の利用がない。このことは市場が十分に機能していることを示しており、終了は正当化される」との見方を示した。

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は92.369と、ほぼ横ばい。

ユーロは対ドルで0.1%安の1.1859ドル。週足ではやや上昇した。ドルは対円で0.1%高の103.81円。

豪ドルは対米ドルで0.4%高の0.7308米ドル。リスク選好度の上昇を受け、ニュージーランドドルは0.6951米ドルと、2年ぶり高値を更新した。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1万8824ドルと3年ぶり高値を更新し、過去最高値に迫った。

<債券> 米政府が連邦準備理事会(FRB)に緊急融資プログラムの未使用資金返却を要請したことを受け、オーバーナイトで米債利回りが低下したが、新たな財政刺激策に対する楽観的な見方により低下幅が縮小した。

ムニューシン財務長官は19日、新型コロナウイルス危機を受けて導入したFRBの緊急融資プログラムの一部について、期限を延長せず12月31日に終了する考えを表明。資金の未使用分を財務省に返却するよう要請した。

これを受け利回りは低下したが、市場にシステミックな影響を与える可能性は低いとの見方が広がり、低下幅の大部分を取り戻した。

また、米政府が新たな財政刺激策で合意する可能性があるとの楽観的な見方も利回りの低下幅縮小に寄与した。

ムニューシン長官はこの日、新型コロナ禍で中小企業が必要としているのは融資ではなく返済義務のない補助金だと述べ、コロナ向け緊急支援プログラムの一部打ち切りに理解を求めた。

指標10年債利回りは一時11営業日ぶり低水準の0.818%を付けたが、その後0.829%まで切り返した。先週は入札や新型コロナワクチンを巡る楽観論で利回りが上昇し、0.975%と8カ月ぶりの高水準を付けたが、今週はその上昇分をほぼ吐き出した。

2年債と10年債の利回り差も65ベーシスポイントと11月9日以来の水準に縮小。その後は67bpとなっている。30年債がアウトパフォームし、5年債との利回り差は115bpと9月29日以来の水準に縮小した。

ムニューシン長官の発表は、資金需要が膨らむ年末を控え、資金調達市場が流動性低下に一段と脆弱になるとの懸念につながった。

ただ、ナットウエスト・マーケッツのストラテジスト、ブレイク・グイン氏は「資金調達市場にとって大きな問題ではないはずだ。流動性の状況はこれまで対象となっていた市場の大半で安定している」と述べた。

この日の翌日物レポ金利は0.07%で安定的に推移。ドルの3カ月物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)は低下し、0.2049%と過去最低を更新した。

投資家は12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目しており、利回りが先週の高水準を上回ればFRBが長期債の買い入れを拡大する可能性があるとの見方が強まっている。

米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は20日、FRBの月額1200億ドルの債券買い入れについて、必要に応じて対象年限の長期化や増額が可能だが、経済動向を見極めるため春ごろまで様子を見守りたいとした。

<株式> 下落し、ダウ工業株30種<.DJI>が219ドル安で取引を終えた。新型コロナウイルス感染の急増がワクチン実用化への期待に水を差す格好となった。

週間ではダウ平均とS&P総合500種指数<.SPX>が小幅安。ハイテク株の多いナスダック総合指数<.IXIC>は小幅高となった。

レノックス・ウエルス・アドバイザーズ(ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、デービッド・カーター氏は「コロナ感染の急増とワクチン開発の進展で、相場は一進一退の動きになっており、ワクチンが実用化するまでこうした状況が続くだろう」と述べた。

米製薬大手ファイザーは20日、開発中のコロナワクチンの緊急使用許可を米食品医薬品局(FDA)に申請した。コロナワクチンの緊急使用許可申請は米国内で初めて。

ムニューシン米財務長官は19日、新型コロナウイルス危機を受けて導入した連邦準備理事会(FRB)の緊急融資プログラムの一部について、期限を延長せず12月31日に終了する考えを表明。長官はこの日、コロナ禍で中小企業が必要としているのは融資ではなく返済義務のない補助金だと述べ、コロナ向け緊急支援プログラムの一部打ち切りに理解を求めた。

一方、シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は、ムニューシン長官の判断について「バックストップ(安全策)としての役割はかなりの期間、非常に重要になり得ることから、失望している」とした上で「コロナ感染は拡大しており、リスクが伴う。全方位からの支援拡大が望ましい」と述べた。

前出のカーター氏は「こうした財務省とFRBの対立は望ましくなく、相場に深刻な影響をもたらす恐れがある。コロナのリスクが根強い中、タイミングが悪い」とした。

全米ではコロナ感染者が記録的に増加する中、コロナ関連の入院数が50%も跳ね上がっており、各地で学校や店舗の閉鎖や外出禁止の動きが相次いでいる。

個別銘柄ではテレビ会議ソフトのZoom(ズーム)が6%高。

製薬のギリアド・サイエンシズは0.9%安。世界保健機関(WHO)は20日、同社の抗ウイルス薬「レムデシビル」について、症状の重さにかかわらず、新型コロナウイルス感染症の入院患者による使用は推奨しないとの指針を示した。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.06対1の比率で上回った。ナスダックでは1.12対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は106億9000万株。直近20営業日の平均は107億株。

<金先物> 4日ぶりに反発した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比10.90ドル(0.59%)高の1オンス=1872.40ドル。

<米原油先物> 新型コロナウイルスのワクチン開発進展への期待を追い風に買われ、反発した。米国産標準油種WTI12月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.41ドル(0.98%)高の1バレル=42.15ドルと、中心限月の清算値ベースでは9月1日以来約2カ月半ぶりの高値となった。週間では5.03%上昇し、プラスでの越週は3週連続。1月物は0.52ドル高の42.42ドルだった。

ドル/円 NY終値 103.85/103.86

始値 103.79

高値 103.86

安値 103.71

ユーロ/ドル NY終値 1.1853/1.1857

始値 1.1872

高値 1.1878

安値 1.1851

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 102*19.50 1.5163%

前営業日終値 101*04.00 1.5780%

10年債(指標銘柄) 17時05分 100*15.50 0.8243%

前営業日終値 100*06.00 0.8550%

5年債(指標銘柄) 16時55分 99*12.75 0.3731%

前営業日終値 99*10.75 0.3860%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*29.75 0.1614%

前営業日終値 99*29.25 0.1690%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 29263.48 -219.75 -0.75 <.DJI>

前営業日終値 29483.23

ナスダック総合 11854.97 -49.74 -0.42 <.IXIC>

前営業日終値 11904.71

S&P総合500種 3557.54 -24.33 -0.68 <.SPX>

前営業日終値 3581.87

COMEX金 12月限 1872.4 +10.9 <0#GC:>

前営業日終値 1861.5

COMEX銀 12月限 2436.3 +31.5 <0#SI:>

前営業日終値 2404.8

北海ブレント 1月限 44.96 +0.76 <0#LCO:>

前営業日終値 44.20

米WTI先物 1月限 42.42 +0.52 <0#CL:>

前営業日終値 41.90

CRB商品指数 156.1625 +1.1278 <.TRCCRB>

前営業日終値 155.0347

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