ニュース速報

ビジネス

ロシア中銀、政策金利据え置き 年内の利下げ示唆

2020年09月19日(土)02時33分

[モスクワ 18日 ロイター] - ロシア中央銀行は18日、政策金利を過去最低水準の4.25%に据え置くことを決定した。据え置きは予想通り。ロシア政府に対する新たな制裁リスクが高まる中、緩和サイクルを一時的に停止したが、年内に利下げを再開する可能性を示唆した。

声明で「状況がベースライン見通しに沿って展開すれば、ロシア中銀は今後の会合で追加利下げの必要性を検討する」と指摘。「直近の利下げは今年および来年のロシア経済を支援し続ける」とした。

通貨ルーブルが今月に入り、対ドルで半年ぶり、対ユーロで2016年以来の安値を付けたことを受け、政策金利が据え置かれるとの見方が広がっていた。

14日時点のインフレ率は年率3.7%近辺と目標の4%を依然下回っているが、中銀は家計と企業のインフレ期待は引き続き高いとした。

中銀の決定を受け、通貨ルーブルは対ドルで0.5%安の75.55ルーブルと、前週に付けた6カ月ぶり安値の76.5950ルーブルに迫った。対ユーロでも下落し、0.5%安の89.50ルーブル。ロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏に対する毒殺未遂疑惑のほか、反政府デモが続いているベラルーシ問題を巡り、西側諸国がロシアに対する圧力を強めるとの懸念がルーブル相場の重しになっている。

ナビウリナ総裁は決定会合後の記者会見で「インフレはここ数カ月は予想を若干上回っていた」と指摘。また「外部環境のボラティリティーは高まった」とし、「地政学リスクが高まった」との認識を示した。

ルーブル相場の下落については「個人も企業も変動相場制にすでに慣れており、相場が下落する時も上昇する時もあると承知している」と述べ、それほど重視しない姿勢を示した。

今後の政策運営について、ライファンゼン銀行のエコノミスト、スタニスラフ・ムラショフ氏は「中銀は慎重に対応しながらも、利下げの可能性を念頭に置いているように見える」と指摘。ロッコ・インベストの投資部門責任者、ドミートリー・ポレボイ氏は、中銀が示したディスインフレリスクを巡る見解に基づくと、10月もしくは12月の会合で4%への利下げが決定される可能性があると述べた。

キャピタル・エコノミクスのアナリストは、年内は金利は据え置かれると予想。来年末までに3.50%に引き下げされるとの見方を示した。

次回の金融政策決定会合は10月23日。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏やエジプトなどの仲介国、ガザ停戦に関する

ワールド

トランプ氏、ゼレンスキー氏と17日会談 トマホーク

ワールド

トランプ氏、ガザ停戦でエジプトの役割を称賛 和平実

ワールド

トランプ氏、イランと取引に応じる用意 「テロ放棄が
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 3
    車道を一人「さまよう男児」、発見した運転手の「勇敢な行動」の一部始終...「ヒーロー」とネット称賛
  • 4
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    筋肉が目覚める「6つの動作」とは?...スピードを制…
  • 7
    連立離脱の公明党が高市自民党に感じた「かつてない…
  • 8
    1歳の息子の様子が「何かおかしい...」 母親が動画を…
  • 9
    ウィリアムとキャサリン、結婚前の「最高すぎる関係…
  • 10
    あなたの言葉遣い、「AI語」になっていませんか?...…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル賞の部門はどれ?
  • 4
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    トイレ練習中の2歳の娘が「被疑者」に...検察官の女…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
  • 10
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中