ニュース速報

ビジネス

中国新規融資、7月は9927億元に減少 広範な信用拡大は継続へ

2020年08月11日(火)23時26分

 中国人民銀行(中央銀行)が発表した7月の新規人民元建て融資は9927億元(1428億2000万ドル)となり、6月の1兆8100億元から減少。予想の1兆2000億元も下回った。写真は人民元紙幣。2017年5月撮影(2020年 ロイター/Thomas White)

[北京 11日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が発表した7月の新規人民元建て融資は9927億元(1428億2000万ドル)となり、6月の1兆8100億元から減少。予想の1兆2000億元も下回った。前年同月は1兆0600億元だった。

中国民生銀行のシニアエコノミスト、Wen Bin氏は、政府の刺激策を受けて年前半は急速に信用が拡大したが、後半にかけて融資額は減る傾向にあると述べた。

住宅ローンを中心とする家計向け融資は7578億元と6月の9788億元から減少した。企業向け融資も前月の9278億元から2645億元に減少した。

7月末時点の人民元建て融資残高は前年比13.0%増。予想は13.2%増、前月は13.2%増だった。

7月のマネーサプライM2の前年比伸び率は10.7%。予想は11.1%、前月は11.1%だった。

銀行融資のほか、新規株式公開、信託会社の融資、債券発行などを含む社会融資総量は7月末時点で1兆6900億元と6月の3兆4300億元から減少した。前年比伸び率は12.9%と前月の12.8%から小幅拡大した。ロイターがまとめたアナリスト予想は1兆8500億元だった。

前年比の社会融資総量は、経済活動の基調を裏付けるデータとして注目されている。

キャピタル・エコノミクスの中国担当エコノミスト、ジュリアン・エバンス・プリチャード氏は、今後数カ月で広範な分野で信用がさらに拡大すると予想。銀行融資の減速は融資枠がもう緩和されていないことを示しているが、「景気回復の継続を背景とした投資需要の高まりが社債や株式の発行を促し、国債も急ペースでの発行が年内続くだろう」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=上昇、米中首脳会談をホワイトハウスが

ビジネス

米フォード、通年利益見通しを引き下げ アルミ工場火

ワールド

米中首脳会談、30日に韓国で トランプ氏「皆が満足

ビジネス

NY外為市場=ドル対円で上昇、翌日の米CPIに注目
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 2
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシアに続くのは意外な「あの国」!?
  • 3
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺している動物は?
  • 4
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 5
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 6
    国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の…
  • 7
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 8
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 9
    「石炭の時代は終わった」南アジア4カ国で進む、知ら…
  • 10
    【ムカつく、落ち込む】感情に振り回されず、気楽に…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 7
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 10
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中