ニュース速報

ビジネス

ダウ469ドル高、減産合意期待で原油急騰 石油株に買い

2020年04月03日(金)06時30分

米国株式市場は上昇し、ダウ平均株価は469ドル値上がりした。ニューヨーク証券取引所で3月撮影(2019年 ロイター/Lucas Jackson)

[2日 ロイター] - 米国株式市場は上昇し、ダウ平均株価<.DJI>は469ドル値上がりした。トランプ米大統領の発言をきっかけにサウジアラビアとロシアが大幅減産で合意するとの期待が高まり、原油価格が急騰。石油株に買いが入り、朝方発表された週間新規失業保険申請件数急増の影響が相殺された。

この日はサウジが石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」による緊急会合の開催を要請したと伝わったほか、トランプ米大統領が原油の協調減産を巡りサウジとロシアを仲介したことを明らかにし、両国が最大で日量1500万バレルの減産に踏み切る可能性があるとの見通しを示した。これを受け、米WTI先物の清算値は24.7%、北海ブレント先物は21.5%上昇した。上昇率はともに過去最大。

S&Pエネルギー株指数<.SPNY>は原油価格がサウジとロシアの価格戦争で急落したことを受け年初から50%を超えて下落していたが、この日は9.08%上昇した。

ただ、それでも主要3指数は終盤の取引でこの日の最高値近辺に上昇するまではマイナス圏とプラス圏を行きつ戻りつしていた。TDアメリトレード(シカゴ)の首席市場ストラテジスト、JJ・キナハン氏は「あまりにもひどく売り込まれていたため、多くの市場参加者が過度に売られていたと認識しない限り上昇しない状態になっている」と述べた。

この日は原油関連株が買われ、オキシデンタル・ペトロリアムは18.9%高。アパッチとハリバートンも上昇率は2桁台に乗せた。ただ原油価格が上昇しても、米シェールオイル生産会社が苦境から脱するには十分でない可能性がある。

航空機大手ボーイングは5.68%安。カルホーン最高経営責任者(CEO)はこの日、早期退職優遇制度の導入を従業員向けメモで明らかにすると同時に、新型コロナウイルス流行による世界の航空業界への影響が長期化すると警告した。

労働省が朝方発表した3月28日終了週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は664万8000件と、前週の330万7000件(上方改定)から倍増し、2週連続で過去最多を更新。TDアメリトレードのキナハン氏は「あまりにもひどい数字だった。市場は経済指標の一段の悪化に備えているのだろう」としている。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.61対1の比率で上回った。ナスダックでは1.34対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は126億4000万株。直近20営業日の平均は158億7000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 21413.44 +469.93 +2.24 20819.4 21477. 20735. <.DJI>

6 77 02

前営業日終値 20943.51

ナスダック総合 7487.31 +126.73 +1.72 7317.45 7501.7 7307.9 <.IXIC>

0 5

前営業日終値 7360.58

S&P総合500種 2526.90 +56.40 +2.28 2458.54 2533.2 2455.7 <.SPX>

2 9

前営業日終値 2470.50

ダウ輸送株20種 7445.71 +93.13 +1.27 <.DJT>

ダウ公共株15種 729.36 +21.32 +3.01 <.DJU>

フィラデルフィア半導体 1474.61 +46.88 +3.28 <.SOX>

VIX指数 50.68 -6.38 -11.18 <.VIX>

S&P一般消費財 764.32 +2.66 +0.35 <.SPLRCD>

S&P素材 274.27 +4.05 +1.50 <.SPLRCM>

S&P工業 483.20 +6.96 +1.46 <.SPLRCI>

S&P主要消費財 566.00 +15.92 +2.89 <.SPLRCS>

S&P金融 333.40 +8.03 +2.47 <.SPSY>

S&P不動産 183.29 +2.42 +1.34 <.SPLRCR>

S&Pエネルギー 232.37 +19.33 +9.08 <.SPNY>

S&Pヘルスケア 1020.68 +27.66 +2.79 <.SPXHC>

S&P通信サービス 147.07 +2.63 +1.82 <.SPLRCL>

S&P情報技術 1378.36 +30.68 +2.28 <.SPLRCT>

S&P公益事業 272.85 +8.32 +3.15 <.SPLRCU>

NYSE出来高 13.75億株 <.AD.N>

シカゴ日経先物6月限 ドル建て 18280 + 420 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物6月限 円建て 18080 + 220 大阪比 <0#NIY:>

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

金の強気相場続く、1オンス=2600ドルがピーク=

ワールド

米共和党対中強硬派、華為への販売全面阻止を要求 イ

ビジネス

世界のワイン需要、27年ぶり低水準 価格高騰で

ワールド

米国務省のアラビア語報道官が辞任、ガザ政策に反対
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中