ニュース速報

ビジネス

英中銀が0.5%緊急利下げ、新型コロナで景気「大幅に弱まる」可能性

2020年03月11日(水)19時53分

 3月11日、イングランド銀行(英中央銀行)は、政策金利を0.75%から0.25%に引き下げたと発表した。写真はロンドンで2017年12月撮影(2020年 ロイター/Clodagh Kilcoyne)

[ロンドン 11日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は11日、政策金利を0.75%から0.25%に引き下げたと発表した。新型コロナウイルス感染拡大により景気が脅かされていることに対処する。利下げは2016年8月以来初めて。

英中銀の緊急利下げは2008年の金融危機以来初めて。政策金利は、欧州連合(EU)からの離脱を決めた2016年の国民投票を受けて設定された過去最低水準に再び回帰した。

中銀は「COVID-19(新型コロナウイルス)による経済ショックの大きさはかなり不透明であるものの、英国における経済活動は向こう数カ月で大幅に弱まりそうだ」と指摘した。

また「中銀は、英経済と金融システムの支援に向け、さらに必要な政策をすべて取る」と明言した。

緊急利下げを受けて、ポンドは対ドルで0.5セント超値を下げた。

国債買い入れ目標は4350億ポンドで維持。社債買い入れ目標も100億ポンドで維持した。

英中銀は新たな量的緩和措置を発表しなかったものの、銀行のカウンターシクリカル資本バッファー比率を1%からゼロ%に引き下げたほか、小規模企業向けに新たな資金調達スキームを導入。向こう12カ月、期間4年の資金を供給する。

英中銀は、この新スキームが最大1900億ポンドの新規貸し出しを支援する、とした。

また「一時的ではあるものの、サプライチェーンの大きな混乱や経済活動の低迷はキャッシュフローに影響し、家計の短期的な信用需要や企業の運転資金需要を増やす可能性がある」と指摘した。

インベステックのエコノミストは「英中銀は、量的緩和的なことは行っていない。必要であれば、量的な面で緩和を拡大する可能性はまだ残っている」と指摘した。

JPモルガンは、「唯一やや意外だったのは、次回の措置に関するフォワードガイダンスが示されなかったことだ」との見解を示した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ホンダ、中国合弁工場で900人削減 EV急拡大で主

ワールド

米下院、詐欺で起訴の共和サントス議員を除名 史上6

ワールド

米連邦地裁、トランプ氏の免責主張認めず 20年大統

ビジネス

米EV税優遇策、中国産材料を制限へ 24年から
MAGAZINE
特集:まだ間に合う 新NISA投資入門
特集:まだ間に合う 新NISA投資入門
2023年12月 5日号(11/28発売)

インフレが迫り、貯蓄だけでもう資産は守れない。「投資新時代」のサバイバル術

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最新の「四角い潜水艦」で中国がインド太平洋の覇者になる?

  • 2

    バミューダトライアングルに「興味あったわけじゃない」が、予想外の大発見をしてしまった男の手記

  • 3

    男たちが立ち上がる『ゴジラ-1.0』のご都合主義

  • 4

    最新兵器が飛び交う現代の戦場でも「恐怖」は健在...…

  • 5

    世界でもヒット、話題の『アイドル』をYOASOBIが語る

  • 6

    「ダイアナ妃ファッション」をコピーするように言わ…

  • 7

    ロシア兵に狙われた味方兵士を救った、ウクライナ「…

  • 8

    中国の原子力潜水艦が台湾海峡で「重大事故」? 乗…

  • 9

    「赤ちゃんの首が...」パリス・ヒルトン、息子を「抱…

  • 10

    土星の環が消失?「天体の不思議」土星の素敵な環を…

  • 1

    ロシアはウクライナ侵攻で旅客機76機を失った──「不意打ちだった」露運輸相

  • 2

    最新の「四角い潜水艦」で中国がインド太平洋の覇者になる?

  • 3

    「大谷翔平の犬」コーイケルホンディエに隠された深い意味

  • 4

    下半身が「丸見え」...これで合ってるの? セレブ花…

  • 5

    <動画>ロシア攻撃ヘリKa-52が自軍装甲車MT-LBを破…

  • 6

    米空軍の最新鋭ステルス爆撃機「B-21レイダー」は中…

  • 7

    ミャンマー分裂?内戦拡大で中国が軍事介入の構え

  • 8

    「超兵器」ウクライナ自爆ドローンを相手に、「シャ…

  • 9

    男たちが立ち上がる『ゴジラ-1.0』のご都合主義

  • 10

    1日平均1万3000人? 中国北部で「子供の肺炎」急増の…

  • 1

    <動画>裸の男が何人も...戦闘拒否して脱がされ、「穴」に放り込まれたロシア兵たち

  • 2

    <動画>ウクライナ軍がHIMARSでロシアの多連装ロケットシステムを爆砕する瞬間

  • 3

    「アルツハイマー型認知症は腸内細菌を通じて伝染する」とラット実験で実証される

  • 4

    戦闘動画がハリウッドを超えた?早朝のアウディーイ…

  • 5

    リフォーム中のTikToker、壁紙を剥がしたら「隠し扉…

  • 6

    <動画>ロシア攻撃ヘリKa-52が自軍装甲車MT-LBを破…

  • 7

    ここまで効果的...ロシアが誇る黒海艦隊の揚陸艦を撃…

  • 8

    ロシアはウクライナ侵攻で旅客機76機を失った──「不…

  • 9

    また撃破!ウクライナにとってロシア黒海艦隊が最重…

  • 10

    またやられてる!ロシアの見かけ倒し主力戦車T-90Mの…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中