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英中銀が0.5%緊急利下げ、新型コロナで景気「大幅に弱まる」可能性

3月11日、イングランド銀行(英中央銀行)は、政策金利を0.75%から0.25%に引き下げたと発表した。写真はロンドンで2017年12月撮影(2020年 ロイター/Clodagh Kilcoyne)
[ロンドン 11日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は11日、政策金利を0.75%から0.25%に引き下げたと発表した。新型コロナウイルス感染拡大により景気が脅かされていることに対処する。利下げは2016年8月以来初めて。
英中銀の緊急利下げは2008年の金融危機以来初めて。政策金利は、欧州連合(EU)からの離脱を決めた2016年の国民投票を受けて設定された過去最低水準に再び回帰した。
中銀は「COVID-19(新型コロナウイルス)による経済ショックの大きさはかなり不透明であるものの、英国における経済活動は向こう数カ月で大幅に弱まりそうだ」と指摘した。
また「中銀は、英経済と金融システムの支援に向け、さらに必要な政策をすべて取る」と明言した。
緊急利下げを受けて、ポンドは対ドルで0.5セント超値を下げた。
国債買い入れ目標は4350億ポンドで維持。社債買い入れ目標も100億ポンドで維持した。
英中銀は新たな量的緩和措置を発表しなかったものの、銀行のカウンターシクリカル資本バッファー比率を1%からゼロ%に引き下げたほか、小規模企業向けに新たな資金調達スキームを導入。向こう12カ月、期間4年の資金を供給する。
英中銀は、この新スキームが最大1900億ポンドの新規貸し出しを支援する、とした。
また「一時的ではあるものの、サプライチェーンの大きな混乱や経済活動の低迷はキャッシュフローに影響し、家計の短期的な信用需要や企業の運転資金需要を増やす可能性がある」と指摘した。
インベステックのエコノミストは「英中銀は、量的緩和的なことは行っていない。必要であれば、量的な面で緩和を拡大する可能性はまだ残っている」と指摘した。
JPモルガンは、「唯一やや意外だったのは、次回の措置に関するフォワードガイダンスが示されなかったことだ」との見解を示した。
*内容を追加しました。